2020-02-05

saebou先生の『献血ポスター問題について』を最善の相で解釈してみる

saebou先生献血ポスター問題についてを読んだが、当初はよく分からなかった。

なお、私はこれについて日赤デザイン理念合致しないので問題があるという話をしており、これを見て性的好奇心劣等感をかき立てられた人が献血しかねないとか、この漫画広告に使うべきでないとかいうような話は一切、していません。

てっきり件の広告ポスター献血者の健康血液安全性に悪影響を及ぼす可能性があるために批判しているのだろうと考えていたが、その点は論点ではないらしい。しかし、献血者の健康血液安全性に悪影響を及ぼす可能性が見いだせないならば、あのポスターに一体何の問題があるというのか。ブログ最後まで読んでも、よく分からなかった。

しばらく考えていたが、以下の氏のツイートが目に入った。

高い倫理性は安全保証するための理念としてあるわけですよね?それだけでは安全保証できないとして、全体としての理念一貫性のために広告などに高い倫理性を期待していけない理由はありますか?

https://twitter.com/Cristoforou/status/1194503927225409536

そして以下のように解釈すれば意味が通るのではないか、という結論に至った。

1. 一般論として、日赤は種々の倫理規定合致した広告をすべきである(そしてそれは現に実践されていると思う)。

2. そして倫理規定に反した広告をした場合、その広告実際的な悪影響を及ぼす懸念がなかったとしても、日赤非難されるべきだろう。例えば、問診で嘘を申告することを暗に勧めるメッセージが入った広告ポスターを作ったとしたら、たとえそれが実際的な悪影響を及ぼす見込みがないとしても、日赤は厳しく非難されるだろう。

3. saebou氏のブログ記事によって、件のアニメ広告ポスター倫理規定に反していることが論証されたと仮定する。

以上のように考えると、saebou氏が憤る理由理解できる。問診で嘘を申告することを暗に勧めるメッセージが入った広告ポスター非難されるべきなのと同様に、件のアニメ広告ポスターも厳しく非難されるべきである、と。

問題は、saebou氏のブログ記事は、件のアニメ広告ポスター倫理規定に反していることを論証したといえるのか、ということである。氏の論証は以下の通り。

なぜこの広告日赤理念に反していると考えたかというと、この広告内では性的好奇心劣等感に訴えて人に献血をさせることがまるで面白いことでもあるかのように描かれているからです。

さら問題があるのが台詞です。宇崎ちゃんが、注射が怖いか献血しないのではないか劣等感を煽っていますが、これは自発性尊重する倫理理念からして、本来は「これはやってはいけません」という例になるような状況であるはずです。

saebou氏は上記の指摘を以て、件のアニメ広告ポスターストレート倫理規定に反したことを論証した、と自己評価しているようであるしかしこの文章ではせいぜい、件の広告ポスター表現言動敷衍すると日赤理念合致してないと解釈できる余地もあることを、論証したに過ぎないように思われる。

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