2019-06-05

もう駄目かもしれない

歳が近く仲のいい従弟がいる。

遠方に住んでいるので夏・冬・春休みしか会えなかったが小さい頃から毎年遊んでいた。

従弟の家は貧乏で、父親蒸発したりするような機能不全家庭だったので、高校あたりでグレてしまったが

根はマジメでいいやつなのもあり、成人する頃には電設工事プロになって、立派な社会人になった。

結婚もした。子供もできた。妻子を養う傍ら、母親の面倒も見ていた。

よくぞここまで真っ当な人間になれたと親類からも褒められるような奴だった。


でも、蒸発してた父親が姿を現してから奥さんの家と不穏な感じになってしまい、

育児ノイローゼ気味でもあった奥さんとも険悪になってしまった。

その上、母親脳梗塞で倒れて認知症になったり、仕事で大きなミスやらかし借金を抱えたりと

連続して悪い事が続き、ついには離婚までしてしまった。

子ども親権母親へ、住んでいた家も母子へ渡して独りアパート生活

辛い境遇を乗り越えて、ようやく手にした温かい家庭だったが、何がいけなかったのか、

従弟の手に残ったのは多額の借金と、世話が必要な年老いた両親だけだった。


従弟は養育費借金返済、両親の為に身を粉にして働いていたが、

中卒ブルーカラーにはやはり限界があるようで、うちの実家に「金を貸してください」と言ってくるようになった。

親類は「関わるな」とにべもなかった。従弟はさておき、従弟の両親の信用が全くなかったからだ。

自分としては頑張ってる従弟を助けたかったし、

借金さえ完済できれば返してくれる見込みもあった(従弟の当時の月収は悪い方じゃなかった)ので数十万貸した。

この時は最悪返ってこなくてもまあしょうがいかな、と思っていた。


最初のうちは少しずつ返してくれた。だが段々首が回らなくなって、返済どころか追加の融資必要状態に陥っていった。

取引先にトンズラされて今月の収入ゼロになった」「母親にガンが見つかって手術費用必要になった」

「貸主から勤め先に連絡が行ったらクビになる」「これ以上家賃滞納したら追い出されてホームレスになる」と満身創痍だった。

(後々になって分かったが、サラ金にも手を出していたらしい。もっと早い段階で聞き出しておくべきだった)

対症療法というか、寸借詐欺にかかったように少しずつ金を貸していたら、どんどん総額が膨らんでしまった。

職を失って雲隠れされたり野垂れ死になんてことになったら全てが無駄になる、とコンコルド効果抜群な思考に陥り、貸すのを止められなかった。

結果的に、従弟の借金の大半は実質、数年がかりで自分が肩代わりした形になった。

自分貯金のすべてを使って。


やはり、最初の貸しを断った親類の判断が正しかったのか。

でもあそこで自分が助けなかったら、従弟はどうなっていたかからないし、

養育費が途絶えた元奥さん子供もきっと困っただろう。

従弟は養育費の支払いだけは絶対滞らせない、と必死だったので、どうしても見捨てられなかったのもある。

自分選択は間違っていなかったと思いたい。

1人で頑張ってきた従弟とその両親、元奥さん子供人生を支えたんだと胸を張りたい。

ただ、こうして貯金ゼロになった今、もうこれ以上助けてやることはできないし、

何より自分の手元にも何も残っていない。無くなったものばかりだ。

分水嶺はどこだったのだろう? これからどうすればいいんだろう?

従弟は週末に弁護士相談する予約を取ったので、そこで道が見つかればいいのだが。


ダラダラ書いたけど、後になってこんなウジウジ言うくらいなら最初から貸すなよって話だし、

間違ってなかったと思うんならウジウジ言うなよって話なんだろうなぁ。

くっそー。

  • 人柄良さそうなのわかる。 私なら最初から貸さずに話を聞いて公的支援の手続きの手伝いをするけど、切羽詰まってる人ってそういう話は聞かないんだよな。

    • 少なくとも当事者間は「家庭の中」に閉じちゃうんだよね…

  • あんた、いいやつだな。イトコさんドン底から這い上がってくれるといいな。

  • 釣れますか?

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