花粉症のホッテントリがあがってたので、つらつらと思うことを書いてみます。
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190131-OYT1T50028/
もちろん、私も花粉症です。
ブコメ欄の方々も気持ちもよーくわかります。だけど、木を燃やせーとか全部切り倒せーとか言われると結構つらいです。
めちゃめちゃ雑に言うと、スギとヒノキはお金=財産になったからです。
むかしから、日本では建材や建具としてスギとヒノキが重宝されてきました。特に大きくて、まっすぐで、健康な木はとてもとても高く売れたそうです。
戦後はいろいろあって、日本の野山はとても荒れていました。そこで、価値の高かったスギとヒノキを当時の国策として日本の山々にめっちゃ植えました。
当時の考えからすれば、50年、60年後の子孫に財産を残してあげようって感じでしょうか。もちろん、それだけじゃないと思いますが。
オーストラリアやカナダ、南米などから安くて質のいい外材が盛んに輸出されるようになると、スギやヒノキの価値はだださがりとなりました。
人工的に植え木は手入れが必要です。手塩にかけた木を二束三文で売られたら、はっきり言って赤字もいいところ。なので、山主さんたちは木を売ろうにも売れない状況が続いています。
もちろん、林野庁も手をこまねいてるわけではありません。花粉が少なかったり、出なかったりする樹種を研究開発して、なんとかこの状況を終わらせようとしています。
けど、結局のところ木が売れないことには、山主さんたちも植え替えしづらいんですよね。さっきも言いましたが、植林するとめっちゃお金かかるんです。伐採、搬出、地ごしらえ、獣害対策、植栽、下刈り、枝打ちetc。
正直、林業業界は税金なしではやっていけません。けど、どれだけ補助があっても、山主さんの金銭負担ゼロというわけにはなかなかいかないです。植え替えても金にならなる見込みがない。だからやらない。そういうことです。
2025年から、日本の森林を整備するために国民一人当たり1,000円/年の税金が追加されます。このお金を使って、杉やヒノキを花粉の少ない種に植え替えたり、針葉樹(スギ、ヒノキ、マツ)と広葉樹の混ざった混交林に変えたりする予定です。ちなみに、なぜか平成31年度から市町村に配布されるので、身近な山林も変化してくるかもしれません。
とはいえ、花粉問題はすぐには解決しません。日本の国土は多くが山林ですが、一斉に伐採して植樹したら、あっという間に国土が荒廃してしまうからです。嫌われ者のスギ、ヒノキですが、土壌安定や水質向上のためにはとてもとても大切なんです。
花粉症はつらいです。ほんとに。林業従事者は大雨の日以外は現場にいることが多いですから、そのつらさをよくわかってます。同時に、木の大切さ、大事さも身にしみてかっています。だからこそ、山主さんと話し合って、税金を使いながら、少しずつ、少しずつ植え替えをしているのです。
林業は儲からないってまじっすか? 一族経営が多いとか聞くんすけど。 俺、林業やってみたいなあって思っているんすけど素人は無理っすか?