2018-08-30

夢の海外就職で夢破れて帰国した、この身は最早ただの死体

「もう、夢なんか見ないでね。」

帰国してからの母の言葉絶望だった。

諦めること、期待しないことを骨身に染み込ませて生きてきた人の言葉だった。

ああ、こんな言葉生き方から離れたくて国を出たのに、どうして戻って来てしまったのか。

帰国からたった三日目で泣き叫ぶほどの絶望を感じた。

母の近くにいてはいけないと、帰国10日で家を出た。

とりあえずの生活仕事を得るために、住み込みで縁もゆかりもない土地に流れ着く。

外国人として制限を受けながら模索するよりも、一度祖国でやり直した方がいいだなんて、

やり直しを是としないこの国で、私は何を期待していたのだろうか。

この閉塞感が嫌で、年齢や学歴身分対外的にも内省的にも息がつまる環境から出て行きたくて、

「のたれ死んでも本望だ」って鼻息荒く飛行機に乗ったのに、海外生活に疲れ死にたくなるほど思い悩めば、

死体だけは帰国させなければ」と、生ゴミのような自分自身飛行機に乗せて、なかば逃げるように帰国したのだ。

老いた母に、訳の分からない、英語ですらない外国語の街まで娘の死体を引き取らせる訳にはいかない。

親不孝をしてはいけないからと、死体を持ち帰るのだ、その気持ちだけで飛行機に乗っていた。

生ゴミが腐敗しないうちにと、即座に履歴書で包み隠しては、せめて堆肥にならねばと死体再利用を試みた。

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夢もクソもないって?そこらじゅうがクソだらけじゃないか、あるよ、あるある

いつから自分自身がまだ動くだけの死体であると考えるようになった。

ほとんど死体だけども、私はまだまだ生きている、もう一度生きられるかもしれない。

そんな気がしていた。死体祖国に届けたら、欲が出たんだ。

死体ジャケットを着せて、真っ当なことを喋らしては椅子取りゲームに興じる。

でも、やはりあの街で最後の一呼吸をついて、のたれ死んでおけばよかったよ。

夢破れた街で、夢の最後を嘗め尽くして、自分勝手に終わらせておけばよかったよ。

スーツケース一つに収まる荷物を、そのまま粗大ゴミに出してから朝一番電車に乗ろう。

行けるところまで行って、のたれ死ぬ場所を探したい。

「もう夢なんか見ないでね」の呪詛に縛られて、馬鹿正直に

「夢もないのだから生きる理由がないね」と結論を出す。

ねえ、お母さん。

私たちは夢を見て生きてこればよかったのかもしれないよ。

夢があるから欲が湧いて戦って勝ち取って生きていけるんじゃないのかな。

夢すら見れない日常の中で、死体として生きるよりもずっとよかったんじゃないかな。

君死に給うことなかれ。

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