過去の経験からすぐに処理しなければいけない案件だと感じたため会議を中座してそのままトイレへ。
会議室がある3Fのトイレがすべて埋まっていることを確認した。舌打ちをしつつ、2Fか4F、どちらへ移動するかを検討する。与えられた猶予は少ない。
下り階段のほうが速度が出せると判断し、2Fトイレへ移動を開始する。
階段を降りる度に茶色の軍勢が迫ってくる。すでに第一波が攻撃を開始しており防波堤は気力でどうにかなるものではない。
やはりというべきか水分を多く含んでいるタイプのようで尻に力をいれて防御態勢をとってはいるがあまり効果はなさそうだ。
2Fトイレへと到着するも、すべての個室が埋まっている。個室を不法占領している輩へ呪詛を投げつつ4Fへの移動を開始。
一瞬、エレベータを使うか判断に悩むものの待ち時間が惜しいためそのまま4Fへ。
2Fから4Fへ移動したときの記憶はない。ただただトイレを目指していた。
トイレに向かう途中に給湯室があり、井戸端会議しているおばちゃんたちに尻に力を入れた状態の変な走りを見られるわけにはいかず、防御態勢を解除。
瞬間、尻穴付近への違和感と急に収まった腹痛に嫌な予感を覚える。俺はまだ出していない。出す意思はない。ひょっとしたらたまたま痛みが収まったのかもしれない。
4Fトイレへ到着。最奥のトイレがひとつだけ空いていたので駆け込みつつベルトを外しチャックを下ろす。
パンツとズボンを同時に下ろし、座席に着席しつつ射出開始。凄まじい音と共に茶色の軍勢が一斉攻撃にでた。
本隊は無事に処理できたところでこちらの被害状況の確認をする。
斥候部隊がパンツへの攻撃を成功させていた。トラ・トラ・トラ。
ズボンへとしみないようにパンツを分離し、斥候部隊を除去する。被害は甚大ではあるがズボンへダメージはないため、パンツの健闘を讃えつつ廃棄処理を決定する。
次いでウォシュレットをふんだんにつかい尻の洗浄を行う。普段の4倍は使った。
ここからは撤退戦だ。なにくわぬ顔でパンツを処理し、ノーパンで会議に戻る必要がある。
まずは普段から持ち歩いているビニール袋へパンツを収納する。腹痛持ちで酒に弱い自分には必須アイテムだ。みんなも持とうビニール袋。
次は人に見られないようにトイレが無人のタイミングで個室にでなければならない。
息を潜め周囲の状況を確認する。となりの個室はまだ人がいるようだ。携帯をいじる音が微かに聞こえる。死ね。
洗面台は営業がひげそりや身だしなみを整えている可能性がある、少しでも物音がする場合には外に出るわけにはいかない。
目を閉じ、聴覚だけを研ぎ澄ます。隣はまだ動かない。周囲の足音はない。洗面台を使っている様子はない。ここがチャンスだ。