2016-11-02

新聞社労務管理とか労働実態について思い出したことな

朝日新聞で、勤務時間上司修正して云々という記事ホッテントリ入りしていたので、

自分が一昔以上前に某新聞社朝日ではないが、それなりに大きい)で記者職をしていたときの思い出など書いてみる。

数年でやめてしまったので、あくま個人的な狭い見聞だけれど。

配属されて何が驚いたって、毎月の勤務表に自分の勤務時間書き込んで、月一で記入して提出するんだけれど、

そのとき「必ず鉛筆で記入して、ハンコを押すように」と言われたこと。

人生で、ハンコが必要書類に「ペン」ではなく「鉛筆で書け」といわれたのは、あの勤務表だけだ。

実際、上司確認して、問題があれば修正するなんてのは日常茶飯事だったらしい。

それでも、自分を含め現場がそんなに不満を持っていなかったのは、「勤務時間」と「給料」がリンクしていなかったから。

記者職は「裁量労働制」なので、実際に何時間拘束されていようが、残業代は「みなし労働時間」で一定計算されていた。

で、そうして計算される給料は、割といいほうだった。

(当時は一般に、新聞社は若手の給料が悪くなかった)

成果は、記事の出稿量とかネタをどれだけとってきたか判断されるし、取材というのは記者個々で動くもので、

まあ「取材」と称して夕方まで出社してなくても、ああ、あの人今日のんびりしてたな、というのは、暗黙の了解で認められていた。

当時はまだまだ、業界に金があったせいが、いろいろおおらかだったし。

わざと終電終わりまでのんびり食事して、タクシー帰宅なんてのもザラだったし。

(その後、各社とも、その辺厳しくなっていったと聞くが)

大体、今は知らないが、当時の記者仕事って、たとえば「なんとなく情報源な人と食事する」とか、「原稿出したけど紙面が上がらないので軽くビール飲んでダラダラ待ってる」とか

仕事なんだか何なんだかよく分からないルーズ時間も多かったし、

何をどこまで勤務時間とするのかよく分からないところも多かったらな。

ネットはすでにあったけど、今みたいにTwitter報道に先行するなんてことはなかったから、多分今よりはずいぶんのんびりしていたというのもあるのだろう。

まあ、だからといって、虚偽の書類を「勤務時間の記録」として残すのがいいのかといえば、悪いに決まっているが、

しかし、世の中には、厳密な時間管理がなじまない仕事があるってのは事実だと思う。

そして、多分、朝日新聞社労務管理がいい加減だという話と、世間のいわゆるブラック企業の話は、あんまりリンクしていない、ような気がしている。

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