私は昔兄にいじめられており、びくびくしながら生活していました。
乱暴になることもありました。
暴力はありませんでしたが、怒ると怒鳴ったり、壁をなぐって穴をあけたり、などです。
兄は兄で父にびくびくして生活していたようです。
大人になって話をすると、兄は昔両親に愛されていないと感じていたようです。
母は愛情深い人でしたが、その愛情すらも、私一人の特権であると思っていたようです。
私から見て母は三人の子供を平等に愛していました。ですが、私一人女の子であったこともあって、
特別に新しいもの(女児用のおもちゃなど)を与えられたり、兄弟が親に頼み込んでやっと苦労して手に入れた物を、
私がなんの苦労もなく親から与えられたのを見て、特別甘やかしているように見えたようです。
また、私の出産の為祖母の家に預けられた兄は、自分は捨てられたと、思っていたそうです。
兄が大きくなると、兄は私を叩いたり、あからさまにイジワルな事を言うようになりました。
私は家族がばらばらになったと不安で泣いて、一人で兄を捜しにいきました。
暗い夜道を泣きながら歩いて、「叩いてもいいから出てきて」と言った事を覚えています。
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具体的に兄に言われた事や、されたことはあんまり覚えていません。
一つだけ、中学生の時、友達を家に呼んだら、兄がうるさいと怒鳴って、
友達ノートとかプロフィール帳とかいうのが当時はやっていて、各自自分のノートをまわして
そこの「思い出」というコーナーに、その子が「鍵を投げられてビックリした」と書いていたのを見て、
兄の事は、怖いし避けていたけれど、嫌いとか憎いとかいう感情ではありませんでした。
ただ関わったりなにか言うと「生意気、にらむな」と言って叩かれるので、
目を合わさず声を立てず興味を持たないようにしていました。
思春期のときの私には、怖い人でした。兄が家にいるときは、静かにしていました。
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少し話は戻りますが、
小学5年生の時でした。
突然、新しい自分が芽生えたようなことがおきました。
新しい人格とは違うのですが、いままでの私は表面で起きた事しかわかっていなかった、
人は思っている事と言っている事は違うんだという事をある日突然認識するようになりました。
私は図書室で本を読みふけりました。主に物語をです。なぜなら、物語文というのは、
登場人物がなぜそう思ったかを、たいていの場合ご丁寧にちゃんと書いてあるからです。
人の心を知る勉強になるし、物語は面白い。私は学校で一番本を読む子になりました。
その頃から、道徳の授業の時間は先生が何を言って欲しいか当てるゲームになりました。
国語の授業は、書いた人がどう思って欲しいか当てるゲームでした。
男の子とギャグまねをしたり、学校にジャンプをもってきたり、ゲームも好きで、
でもある日女の子の前で男の子とやってるようなギャグ真似をしたら、
男の子より2.5倍くらいウケたのを見て、
私は「女子はラクだな〜」と思いました。以後、わたしは女の子とばかり遊ぶようになりました。
私は皆が笑ってくれるとラクな気持ちになりました。
「ピエロになってみんなが笑ってくれるならそれでいいや」と思っていました。