別に暴力を振るうわけでも、家族の金を使い込むわけでも、犯罪を犯して迷惑をかけるような人でもない。
ただただ、人と関わることを避けて引きこもっているだけで、
同居するわけでもないので今は何も実害はないのだが、結婚して家族になれば将来はどうなるかわからない。
反対に私は大人しくしていられないタイプの子供だった(トンボを握りつぶしたりしていた)ので、
母は性別が反対だったらよかったと心配したくらいだったらしい。
そんな兄でも大学までは少ないけど友人もいたようで、
一般的な大学生らしい生活というよりかはほぼ大学と家との往復だけだったろうが普通の生活をしていた。
しかし、就職活動がうまくいかなかったのを機に段々部屋に引きこもるようになってしまった。
当時は明らかに体調を崩しているのがわかったのでそっとしておいたが、
時がすぎて私のほうが先に社会人になり、家を出た。
落ち着いたころ、帰省した時に母にも相談されたので一緒に求人雑誌を見たりした。
当時は兄も体調がいい時は実際求人の応募したり、ハローワークに出向いたり、
資格を取ろうと勉強していたりと職につくための努力をしているようだった。
口数は少なく、めったに笑うこともないが無視されることはなかった。
それでも帰省するたび、兄の状況がよくなることはなく、段々母から、
兄は神経質だから就職関係の話はしないようにと釘をさされるようになった。
そのころから兄は私ですら避けるようになり、食卓を囲んだ時に、
何気ないことで話しかけても返事をしてくれなくなった。
福祉機関に相談してまずは自立した社会生活を送れるようになるための支援を考えるべきなのではないかと。
母の返答はいつも「ごめんね。あなたには迷惑かけないようにするから。」だった。
母に親としての責任をとれと責め立てているつもりではなく、
それでも母の傷をえぐる話で、話したことを後悔した。
結局今も、時だけが過ぎて引きこもりニートの兄がいる事実は変わらないままだった。
義両親も家族としての苦労を労ってくれたぐらいだった。
もちろん結婚式に出席してくれるようお願いはした。
お互い親族になるからには挨拶ぐらいはしないといけないだろうけど、
別にどこに勤めてるか話さないといけないわけでもないし、恥ずかしいと思うことはないと話した。
初めは父も「家族なんだから、妹の結婚式に出席しないなんてことは許されないだろう」と
引っ張ってでも出席させるつもりだったようだが、
私が嫌いなのかもしれないし、ただ他の人に会いたくないからかもしれないし、
自分が出たら妹に恥をかかせると思ったのかもしれない。
夫は一人っ子なので、私はいずれ義両親の面倒も見なければいけず、地元からは遠く離れることになるだろう。
両親が死んだら兄をほっとくわけにもいかないが、少なくとも兄の面倒を見る余裕はない。
年金は親が払ってるし、家もあるし、最低限生活に困らないようたぶん保険もかけてるだろう。
実家を事故物件にしたくないしとも思う一方で、納得いかない気持ちもある。
また起き上がって必死に生きてるし、躓かないよう気をつけたり我慢したり努力もそれなりにしてきた。
出自や環境の違いでできてしまった格差や失敗を自己責任と言うのは酷だが、兄は何だったのか。
つまり女の人生は楽って話?
女だったら「中卒引きこもり歴6年の姉が大卒公務員と結婚した」することも可能なので
🐉💩