2016-12-12

はいくらでも無理な要求をしてよい

客にコスト構造なんてわかるはずがないか

普通のことだと思うのだけれど、おそらく日本の皆さまが歪んでいるのは「売り手は客の要求を断る権利がある」の部分で。無理してきいちゃう。だから「作り手のことを考えて要求を抑えるべし」とか噴飯物の「常識」が幅を利かせるのだが、それこそ無理な話だということを認識しろ。同じような無理な要求として「安いものは悪いと認識スべし」というものもある。

だがしかし、私は言いたい。素人部外者に、コスト構造など正確に把握できる訳がない。現代社会はお前の頭と違ってとかく複雑なのだよ。

あんなにお金のかかっているように見えるテレビ番組googleマイクロソフトオフィスみたいなwebサービスchromelinuxのようなソフトウェアやすごいグラフィック音声つきのソシャゲなどが、無料提供されているのだ。お前のしょぼいソレがその値段とか、へそが茶を沸かすわ とお客様は思っている。同じ業界のものでさえ、他社のコストについて「どうしてその値段でやっていけるのか?」と首を傾げることもある。

そもそもなぜ安いかを隠していることも多い。だからってミミズを原料に使っている的な客にとって不都合な真実ばかりではない。そのようなコストメリットを出すことこそが、業界で優位にやっていける企業秘密であり強みであり、言うなればすべての企業が持っているべき秘密で、つまりあらゆる物の値段の詳細な原価は隠されているのだ。ましてや他業界素人部外者などにわかるわけがない。

例えば、コストを抑える技術として「原料を安くて悪いもの仕入れる」の他に「海外人件費の安い国から仕入れる」とか「原料の安い国から仕入れる」とか「特殊輸送方法仕入れる(冷凍技術ができたので船で輸送できるようになったとか)」とか「スーパー職人(あるいは秘密ロボット)が1日に普通の千倍作るので給料10倍にしても余裕」とか、いくらでも未知の技術革新は想定しうる。その他にも、フリーミアム的な無料低価格戦略、早期にシェアを取りたいか期間限定で、でもソレを言わず低価格販売されるものもある(そして回収期を逃し他事業利益を突っ込んで補填されたり、シェアが取れて薄利多売で利益回収できたりするもの=客は丸儲けパターンも多い)。それを顧客判断しろなんて言うのは、無理だ。

同様に「高いならいいものか?」という問題もある。ただのボッタクリ値上げじゃないという判断が、どうしてできるのか?有名料亭でさえ産地偽装するこんな世の中で。お前が「お客様のために最高級の原料を」と思ったソレが、そもそも業者ぼったくりの結果の値段じゃないと、どうして断言できるのか? 冷凍だとこの味は出ない? 冷凍技術革新的発明がなかったとどうして言える? いやそんな悪意あるぼったくりじゃなくても、無駄に包装に手間がかかってるとか、有名タレントCM出演料がとか、プロしか気づかない僅かな風味の差とか、自動テストカバレッジ100%とか、客が実は「そんな価値、そこまでのこだわりは必要ない」と思ってる部分のコストが高いだけの場合もある。

他の要求も同じだ。

例えば「24時間窓口開けろ」とか「もっとキレイしろ」とか、それが「無理な要求」「労働者の首を絞める」につながるのか?いや、つなげる経営者もいるだろうが、それは「お前の職場ブラックから」なのであって、早々にやめるか経営者をすげ替えるべきだろう。それはお前の雇用者問題経営戦略問題であって、客の要求が「取り除くべき直接の原因」ではない。

24時間対応しろ」が無理な場合、正しい回答は「それでは利益が出ないのでできません」や「それならこの値段になります」とかだ。もちろんライバル社がやりだして客が取られることもあるだろう。それに文句をいうのは売り手・作り手としての矜持にかけるんじゃないかね。それがライバル社のブラック労働の結果なら、労基に相談だ(こういう敵対的提訴が増えるといいですね)

だいたい客に行儀良さを求めても、行儀の悪い客は出てくる。そうなると損するのは行儀の良い客だけ。そもそも、素人部外者のお前の判断する「コスト度外視のひどい要求」が、実は店側にとっては「採算の取れるかんたんな要求」かもしれないだろ?もしかすると利益の増える方向の要求かもしれない。客は売り手のすべてを知っているわけじゃないのだ。

客は無理を言えばいい。売り手は、それが無理なら、単に断ればよいだけ。戦うべきは客の要求ブラック労働につなげる職場であって、無理を言う客の存在ではない。

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