2024-07-28

オリンピックにおけるピクトグラム意味

パリオリンピックピクトグラムについて「パリのはデザイン優先で全然だめ!東京のが識別やすくて最高!パリ目的を見間違えている!」みたいな意見が多く見られるけど、これ自分はかなり疑問に思っている。

そもそもオリンピックにおいてピクトグラムが使われる場所なんて相当限られてる。①テレビ放送テロップ ②公式サイトメニュー ③会場の案内マップ、位なものでしょう。このうち①は単なる画面の賑やかしのようなもので高い機能性やわかりやすさを求められるものでは決してないし、②はピクトグラムなんかより競技名から検索する人の方が圧倒的に多いかピクトグラムの意義は薄い。

一番必要とされ機能性が求められているのは③のシーンだと思うけど、そもそもオリンピック競技を観戦しに来れる人なんてごくごく限られた人、かつチケット争奪戦勝利した人なわけで、会場のピクトグラムの意義はトイレや駅、公共施設の案内と比べたら相当低いと思う。これまでオリンピックピクトグラムが分かりにくくて困った経験、皆さんの中にありますかね?そもそも2021年までは興味すら持っていなかった人がほとんどなのでは。

ネット上だと「ピクトグラム=その目的は多くの人に何かを理解してもらうこと=機能性やわかりやすさが最重要項目」という認識絶対正義みたいな扱いをされているけど、オリンピックピクトグラムって「大多数に競技識別させる」ことよりも「その都市やその国らしさを世界に発信するブランディング」の比重の方が遥かに高いのではないかと思う。北京ロンドンバルセロナも、わかりやすさよりもその国らしさを全面に打ち出していたし、なんなら東京だって単に機能性やわかりやすさを最優先して作ったわけではなく、日本という国や東京という都市整理整頓されたスマートな印象を打ち出そうと考えた結果あのデザインになったのではないかと思っている。

もし本当にわかやすさが強く求められているなら、日本発のデザインが全世界共通デザインとして採用された非常口サインのようにオリンピックピクトグラムも早い段階で共通化されていると思うんだけど、実際は毎回全く異なる個性デザイン採用されてるわけで。東京場合結果的にかなりわかりやすものになったけど、それは日本という国の個性の結果であって「オリンピックピクトグラムを全世界共通しろ!」というのはかなり横暴な意見ではないかと感じる。もちろん一般的に用いられるピクトグラムはわかりやすさが最も重要だと思うけど、オリンピック競技ピクトグラム一般ピクトグラムとは目的役割が大きく違うのではという視点も持っていたほうがいいのではないかと思う。(だから、もしパリオリンピックにおいてトイレや出入口交通機関等のピクトグラムサインデザイン優先でわかりにくいものになっていたなら、それは批判されるべきだと思います。実際はどうなんだろ。)

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