諸々あって、絶対に二ヶ月後には今の住居を退去しなきゃいけない事態になり、急遽新居を探すことになった。(※何か悪いことをした訳ではない)
ネットで気になる物件があったので、そこを扱ってる不動産屋と連絡を取り、次の日には営業所に行くことになった。
不動産屋の担当の女性(若い)とは相性が悪かったと思う。話好きなようで、こちらの希望もろくに聞かず、ひたすら話をし続けた。
この時期でしかも二ヶ月後入居となるとこんな変な物件しか残ってないんですよ!ほら、これとかひどくないですか〜?(笑)
と、こちらが如何に無知で、どれだけ非常識な条件を出しているのかを遠回しに延々と話す。
いやそんな状況でも少しでもいい部屋見つけてくれるのがあなたの仕事なんじゃないの?その条件でもネットではいくつか物件は載っていたし、とりあえず店舗に来い話はそれからだと言ったのはそっちでしょう。急いで見つけないといけないのは十分承知してるし無駄な話してる時間が惜しいんだけど…。
もうこういうのしか残ってないですね〜って苦笑されながら数件紹介された。早いとこ帰って違う不動産屋に行こうかと思っていたら、突然安くて条件の良い物件を紹介された。
えっなにここめっちゃいいじゃん!不本意ながらテンションが上がってしまった。
まだ空いてるか聞いてみますね、と管理会社かどこかに電話し始めた。そして「他にも狙ってる人いるから急がないと危ないそうです!内見急ぎましょう!」と言われるがままその物件に向かった。
内見して更にテンション上がってしまった。けっこう良い物件じゃん。
しかし、今日は絶対契約しない。良い物件だったとしても、他の物件と比較して、一晩経って冷静になってから結論を出そう。心にそう決めていた。
所有している家電がちゃんと入るか、まずあらゆる場所の寸法を測らねば…と思っていた矢先、「あと5分後に、次の内見者さんが来るそうです!」と、追い出されてしまう。
え、これから細部をゆっくり見ようとしてたんだけど…そしてあなたがずっと話しかけてくるから全然集中して見れなかったんだけど…
「かなり人気で狙われているようなので、決めるならすぐ営業所に戻って申し込みをしないと…!」と急かされる。
もはや冷静な判断が出来なくなっていた。ここを逃したらもう良い物件に巡り合えないかもしれない。ただでさえ引っ越しまで時間がない。あのとき申し込んでおけば…!と後悔するのは嫌だ。
自宅に帰る途中、ようやく冷静になってきた。本当に他の物件を見ずに、一件目で決めてしまって良かったのか。いや確かに良い物件ではあったのだが。
全てあの女性のシナリオだったのでは?「今日こいつにこの物件契約させるわ〜笑」って思っていて、結果その通りになってしまったのでは?
そもそも、本当に人気な物件なら、空きが確定した時点で申し込み殺到するんじゃないの?内見できるってことは、それなりに時間もあったけど入居者が決まらなかったってことなのでは?自分のすぐ後に内見する人がいるって本当だったの?
どこまでが嘘でどこからが本当かを考え始めたらモヤモヤが止まらなくなってしまった。
いろんな物件を見てメリットデメリットを比較した結果、やっぱりこの物件に決めたということであれば、すんなり納得できたと思う。(担当者と相性が悪くて言動にいちいちイライラはしたけど)
人材紹介業に携わったことがあって、転職という人生の大事な部分に関わることの責任の重さを知っている。そして、人が安心して住める家を紹介する不動産屋もみんなきっと同じようなマインドでやっているはず、と勝手に期待していた。