2023-05-27

アニメ映画を見て感じた中華覇権思想

数年前に話題になった「羅小黒戦記」という中華アニメ劇場で見た。

クオリティは高かくて驚いたし、主人公たちが住んでいる精霊故郷人間の住んでいる街がただ単に「物理的に離れているだけ」なのに中国いからそうなのかも、と思わせられたりという面白さはあったけど、ストーリーはどうも心の中に消化できない黒い澱のようなものを感じるものだった。

人間の街で明日も生き残れるかという境遇主人公精霊、幼い小黒がとある精霊仲間に助けられて彼らの街に行き、共に成長するが、その仲間は人間の開発によって故郷侵食されていることを憂い、武力による戦いを志向していた。

小黒は彼らに愛着を感じつつも、人間からきた保護者によって確保され、彼から教えを受けるうちに精霊仲間は極端な思想と恨みに凝り固まっていると改心して、彼らと戦う、という話だったように思う。

小黒の視点もそうなのだが、話が進むにつれ、キャラづけも精霊仲間は怒りた震えて狭窄なテロリストで、人間界の側は彼らを教えきれないことを理知的に嘆きつつ制圧せざるを得ない苦悩を滲ませる、しかし正しいのはこちらで、精霊たちはこちらが教化してあげることによって健やかな未来を共に目指せるのだ(でもできなければ武力で従わせるしかない)という感じ。

これって「中華こそが正統な大陸支配者で、辺境の民は中華教化され従うべき」という中華思想じゃん?って思った。

脇の話題に一旦逸れると、声優も務めた宇垣美里さんが「単純な戦いより大事なことを言っている作品で、ぜひみなさんに見てほしい」というようなことを言っていたが、戦う側が大喜びなわけはないとか、戦うにも理由があって一面的な悪みたいな単純なものではないというところなのかもしれない、でも大枠、最終的には主人公の小黒が人間側の理屈について恩ある精霊たちと袂をわかち、彼らを説教して戦うという流れではあるし、ロシアが「ウクライナなんて我々に率いられて大ロシアを共に目指すべきなのだ」っていう思想の枠組みでウエメセ暴挙に出てる今ふりかえっても、「そりゃ自分が関わったお仕事からいいところ見てコメントするの当たり前だけどさ・・・」って思ってなんかがっかりした感じはあった。

本題に戻って、中国アニメクオリティ高い大作も作れるほどであるので、多分興味深い作品はある。

でも気合い入れた作品外国人が見たら「これおかしなこと言ってるんじゃ?」っていう思想が練り込まれて、受け手クオリティに感激してそこをスルーしてしまうような状況になっていくとしたらなんか微妙だなって思う。

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