親権争いで母親が親権者になりやすいのは、婚姻期間中の養育実績の違いからくる。つまり、子の養育を積極的に行っているのは母親のことが多いから、親権争いでも母親有利のことが多くなるということだ。
裁判において親権者を父親母親のどちらにすべきかという問題の判断要素はいろいろある。詳しくはググってほしいのだが、大きなウエイトを占めるのは婚姻期間中に主に子の養育を担っていたのは父母のどちらなのかという要素だ。
で、現状、母親の方が主に養育を担っているから、親権争いでは母親が勝ちやすい。非常にシンプルだ。
「そんなことはない、イクメンと言われるようになって久しいように今では父親も積極的に育児を行っているぞ!」という人もいるかもしれないけど、そういう人は男女の育休の取得率と取得期間を比較してみると言い。ググればすぐに出てくる。
男性はほとんど育休を取ってない。せいぜい2割くらい。そして、取った人でも数日からせいぜい数か月程度しかとってない。つまりイクメン、イクメンと言っていても実態はこんなもんなんだよ。これで「育児に積極的にかかわってました!」と言われても母親との差は歴然としているから、勝負にならない。
自分が問題にしたいのはなんでこんなに違いが出てしまうのかということだ。
自分の考えたところによると、未だに「男は外でバリバリ稼ぐ、女は家事育児を頑張る」という風潮が強いからだ。
育休を取得する際、当然夫婦で相談すると思うのだが、その際男性のほうが一般的に給与が高いから女性が育休を取った方が家計に与える影響が少ない。だから女性の育休取得率は高くなる。
その結果、女性のキャリアが犠牲になるから、女性の一般的な賃金水準が下がってしまう。
また育休で抜けてしまいやすい女性には重要なポストは与えにくい。ここでも男女で賃金水準に差が生まれてしまう。
その結果、育休をとるなら女性の方が・・・となり、その結果・・・という具合にもうこういう問題がこの国の構造として定着してしまっている。親権争いで女性が有利になってしまうのは、こういう構造的な男女の差が親権の取得という場面で表出した結果だ。
これはもう女性が不当に優遇されているとか、男性が虐げられているとか、そういう問題じゃない。この国の構造の問題だ。だから個々人の努力とか根性とか頑張りとかでどうこうなる問題でもない。もちろん「普段子供にかかわってこなかった父親が悪い、自己責任だ」という問題でもない。わかるな?
男性が親権争いで勝ちたかったら、現状では「キャリアを犠牲にして母親以上に子育てをしろ」「出世もあきらめろ」という回答になる。「そこまでしなきゃいけないの?」と思うかもしれないが、現状、この国は女性にそれを強いている。育休取得率や男女の賃金水準の違いから一目瞭然だ。
そして男性はこの状況を何十年も見て見ぬふりしてきた。で、その矛盾が噴出する親権争いという場面で勝てないことを「女性優遇だ」とか「男性が不当に差別されている」などと言うやつがいるが、そのおかしさはもう理解できるはずだ。
無能程文章をまとめる力が無い