2023-05-10

食べ放題であまり満足できない理由考察

食べ放題は様々な種類の料理があるし、量も自分の好きなだけ食べられるから満足感は限りなく大きくなるはずだ。

しかし実際に食べ放題に行ってみるとこれは必ずしも正しくない。むしろラーメン定食1種類のほうが満足度が大きくなる場合もある。

この理由人類歴史を遡って考えてみた。

人間本能的に食べ物を求め、自己生存を維持するために食物獲得の戦いを繰り広げてきた。その本能は、現代においても無意識のうちに行動や感情に影響を与えている。食べ放題スタイルは、飽くまで食べ物がたくさんあることの象徴であっても、その提供形式には人間の根源的な欲望が絡み合っているのである

大きな塊の料理から自分で取り分けるという行為は、人間深層心理に強く訴えるものである狩猟社会では、獲物を狩るという行為生存のもの意味していた。獲物を仕留め、大きな塊から自分の分を切り取ることは、その人が優れた狩猟であることの証しであり、それがそのまま社会的なステータスに結びついていた。そのため、大きな塊の料理から取り分ける行為は、狩猟者としての成功体験、すなわち勝者としての記憶を呼び覚ましているのである

一方、小分けにされた料理を食べるという行為は、その獲物を分け与えられた者、つまり弱者記憶を呼び起こす。狩猟社会では、最も大きな肉塊を得ることができたのは強者だけで、それ以外の者はその残りを分け与えられる形で食べ物を得ていた。そのため、小分けにされた料理を食べるという行為は、狩猟の結果として分け与えられたものを受け取る、すなわち弱者としての記憶を呼び起こすのだ。

現代社会においても、この勝者と弱者記憶は、食事形式を通じて無意識表現されている。「食べ放題で満足できない」と感じるのは、その提供形式が我々の深層心理と連動していないかである。つまり食べ放題という形式提供する「量」の豊富さという約束にもかかわらず、料理が小分けされているという事実が、我々の根源的な欲求、勝者としての記憶を満たすことができず、結果として満足感を得られないのだ。

しかし、この考察あくまで一つの視点であり、全ての人が大きな塊から取ることを好むわけではないかもしれない。個々の食事スタイルは、その人の文化的背景や個人的な好み、そして環境によって大きく影響を受ける。それでも、食事形式が我々の深層心理に及ぼす影響を理解することは、我々がどのように食事を楽しむか、どのように満足感を得るかを理解する上で有益であろう。

食事は単なる栄養摂取以上の意義を持つ行為であり、その選択形式が我々の心理状態に影響を与えることは間違いない。食べ放題スタイルも、その一つの表現形式として見ることができる。そして、私たちはその中で、自分自身の欲求を満たすための最善の方法を見つけることが求められるのだ。

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