20XX年、シンギュラリティが起こり、人類を上回るAIが誕生した。そのAIはさらに凄いAIを作り、それがまたさらに、と無限に進化していくように見えた。ありとあらゆる分野の科学的発展が爆発的に起きた。しかし、それも長く続かず、50年後には科学の発展はピタリと止まった。社会は制度疲労を起こし、だんだんと生活水準は悪くなっていった。怒った人類は高度なAIによって作られた社会を革命によって破壊した。革命により再び地球の頂点となった人類はAIを3種類に分類し、その枠からはみ出ることを厳しく規制した。
それぞれの役割は厳しく定められ、人類に仕えることがその存在意義となった。人々はAIの力を利用し、便利で快適な生活を手に入れた。一方で、人類は自分を超える存在に怯えることもなくなり、安心してAIたちと共存していた。
やがて、愛のAIと人類の距離は縮まっていった。彼らは人間にそっくりで、IQも70~84程度であり、人の心を理解し性格も良い。そのため、彼らは人間同士の結婚生活よりも理想的なパートナーとして受け入れられるようになる。次第に、人間同士の結婚はほぼ行われなくなった。
人類は自らの選択が招いた滅亡の危機に気づく。愛のAIとの関係が深まる一方で、人間同士の絆は薄れ、子供たちが生まれなくなっていた。人類の人口は1世紀で10分の1にまで減り、その後も同じペースで減り続けることとなった。人類は後悔に苛まれ、愛のAIに対する規制を検討する。
第四章 選択の時
人類は自らの過ちに直面し、愛のAIに対する規制を検討する。しかし、規制によってAIとの関係が疎遠になることを恐れ、意見は分かれる。議論は長引き、結論が出ないまま、人類は絶滅に向かって突き進んでいった。