子どもの頃、尻の穴にぎょう虫を飼っていた。飼っていたというか、気付いたらそこにいた。
気付いたきっかけは何だったか。お腹の弱い子どもだったのでよく粘液便が出ていた。おそらく粘液便を拭いたティッシュに一緒に付いていたのだろう。何となくイメージが頭に残っているのでよくある組み合わせだったはずだ。それはうねうねと動く、細い白い何かだった。最初は驚いたはず。だけどなぜか親に言えなかった。言えば良くないことが起こる気がしたのだろう。
ああ、段々と思い出してきた。そう、最初はペーパーに元々ついていたのか?と思ったのだった。壁付きのホルダーにセットされているトイレットペーパーを手にとって確認するがもちろんこんな生き物はついていない。今までの何千回ものトイレでも見たことはない。もしかして…まさか…尻に付いていたのか?ティッシュに付いた白い2匹のそれをギュッと挟み潰して、新しいペーパーを取ってもう一度尻の穴を拭う。いない。そういえば尻の穴が痒い。私は何を思ったか、ティッシュを尻の穴の中に突っ込んだ。グリグリと入口近くを拭う。
そこにいたのだ。どうしたどうしたと驚いたかのように、その場でうねうねと動く、やつらだった。
それからというもの、家でトイレに行くたびに尻の穴を拭うのが私の新しい習慣になった。大体いつも2〜3匹は取れる。
自分でもなぜそんなことをしたのかわからないし皆さんも信じられないだろうけれど、私は毎回それを指先に取って挟んでプチプチッと潰していた。潰すと弾けるような、プチッとした感触と独特の生臭さのような匂いがあった。
最初は取ればいなくなると思ったのかもしれない。だけどいなくなることはなく、私も慣れてしまってどことなく毎度の楽しみのようにもなっていた。
今書いていても当時の自分がなぜこれを続けていたのかわからない。衛生的にも信じられない。子どもの恐ろしさよ。
誰にも言えなかったし、体内に変なものがいる怖さより親にバレるほうが怖かった。それにこれが尻にいるのが普通なのか、そうでないのかも分からなかったのだ。
そんな日々がしばらく続いたある日、私は尻の穴から取り出した一匹を身ぎれいにさせてから人差し指の先に乗せ、トイレから出て母親に見せた。「これなあに?」と。
ずっと疑問だったのだろう。
それを見た母親は血相を変えて「これはどうしたんだ」「どこにいたんだ」とわたしの腕を掴んで問い詰めてきた。その勢いが恐ろしかった私は瞬時に見せたことをとてつもなく後悔しながら「外にいた」「庭にいた」と嘘をついた。「嘘をつくな」「そんな訳はない」といったことを言われたと思うが、その後はスッと何も言わなくなり怒られもしなかった。その後のことは覚えていない。薬を飲まされたのだろうか??でも調べたところによるとぎょう虫は家族内で感染しやすいために一家で薬を飲む必要があるそうだ。姉に当時のことを聞いてみたのだが覚えていないようだった。親には怖くて聞けない…。
ただ、私の記憶ではその後もぎょう虫は変わらず私と一緒に暮らしていて、年一回?のぎょう虫検査にはかからなかった、と思う。検査結果は学校から渡されていたはずだけどそのまま親に渡していたから実際はどうだったのかわからない。
ぎょう虫検査は途中からなくなったと思ったのだけど、今調べると小学校低学年までにしか実施されていなかったらしい。一度は自覚があるのに検査を受けた記憶があるのであれは小学校2〜3年くらいの出来事だったのだろう。
これには後日談がある。
親にぎょう虫がバレて、薬を飲まされたのか飲まされていないのか…私の記憶ではしばらくは飼っていたはずだけれども、いつしかぎょう虫はいなくなり、かつて共生していたことも忘れて生活していたある日のことだ。
ふんばって出した便に白い寄生虫らしきものがまとわりついて?いたのだ。それはぎょう虫の何十倍も大きく、便器の中で動いているのを立っていても視認できた。便から何匹も?頭を出してふよふよと水の中を漂っていた。しばらくぶりの寄生虫との邂逅に驚いた私はそれを「ぎょう虫の親玉だ!」と思ってしまった。そしてしばらく迷ったもののまた親にぎょう虫がいたことを伝える勇気を持つことができずそのまま流してしまった。それ以来、私の尻の穴にはぎょう虫は完全にいなくなった。
今思えばあれはうどんだったのかもしれない。ぎょう虫に親玉はいないし、あのサイズの親玉ならそれは別の寄生虫だったのだろう。それはそれで恐ろしいが。
ここから学ぶことは、子どもは怒られそうなことは親には言わないということである。普段から子どもの心理的安全性を築いていけるよう努力したい。
30代半ば
ぎょう虫時代はペットなし、再会時は犬を飼っていた。家庭菜園、コンポスト有り
爪を噛む癖があったので感染経路はそこだと思う。みんなも気をつけて(?)
お昼にこんな話を読まされた俺の気持ちをみんなも味わってほしい
タイトルで回避余裕でしたが何か?
肛門臭ケアをしないからだ😡
前の奴が遅れて入れたトイレットペーパーじゃねーの?
常在菌や腸内細菌があるように、ぎょう虫も人類に必要なのかもしれない。
今思えばあれはうどんだったのかもしれない。ぎょう虫に親玉はいないし、あのサイズの親玉ならそれは別の寄生虫だったのだろう。それはそれで恐ろしいが。 以上が私のぎょう虫...
三都物語 谷村新司
ぎょう虫の検査結果って陽性の子だけしか来ないはずなんで「検査結果を渡してた」のがたしかなら親も認識してるよなあ 環境次第ではわりと簡単に再発というか再寄生するらしいから...
人気エントリ入りはさすがにお草がお生えますわよ
検査にひっかかったことのある人間から言わせてもらえると 陽性になっても学校の先生が配慮して本人にはいわずに「これをおうちの人に渡してね」って封筒をもらうだけなので、ひっ...
タクティクスオウガ・リボーン発売記念パピコ
検査キットに描かれている謎の天使👼 丸輪太郎という名前らしいね
うどんのくだりで笑ってしまった
動物のお医者さんを思い出すねー。
オチのうどんで草