2022-01-24

ピアノコード耳コピする (1)

ピアノは弾ける・楽譜は読めるけど、耳コピできない・やったことない・やってみたい・できるようになりたい、と思ってる人のために簡単な手ほどきを書く!

有名な米津玄師「Lemon」のコード譜伴奏するのに最低限必要情報だけのメモ)を、ボクと一緒に作ってみよう!

https://www.youtube.com/watch?v=SX_ViT4Ra7k

 

「♪ゆめな~」

 

今、「な」と同時にピアノ和音が聞こえたね。

この時最初に注目すべきなのは、「一番低い音」。左手が弾いているかなり低い「ソ#」の音だ。

 

ルート

このソ#が聴き取れたらコードは半分わかったようなものだ。一番低い音はたいていの場合コードルートからだ(もちろん例外はある)。

ルートとは、その和音スタート地点のことだ。根音(こんおん)とも言う。どの和音にもスタート地点があり、この「根」に枝葉が生えて多彩な和音になる。

コード名前は必ずこのルート音を最初に書き、その後ろにバリエーションを書くことになっている。「根っこ+枝葉」だ。

たとえばCm7(シーマイナーセブン)だったら、Cがルートで、mと7がバリエーションだ。

まりレモンの一番最初コードは、ルートはわかったけどバリエーション不明なので、とりあえず「G#ナントカである

さっそく俺たちのコード譜鉛筆を走らせる情報が出てきたぜ? 早いだろう?

 

(ちなみにこのルートの音、低音で鳴っていると和音が安定するという特性を持っている。だから一番最初に低音を聴くわけよ。)

 

5度

今のところ判明しているのはまだルート単音だけなので、次に枝葉を生やして和音にしていこう。

まず確実なのは、「5度」だ。完全5度という言葉を知っている人もいるかもしれない。

から始まるドレミファソラシド音階で5番め、スタート地点から距離にして半音7個分上の音だ。ド+ソ、レ+ラ、ミ+シ(いずれもナチュラル)などが5度の和音だ。

大半のコードはこの5度の音を含んでいて、枝葉というよりはもはや「幹」に近い存在なので、ルートがわかれば5度も半自動的に決まる。

今われわれが注目しているG#ナントカ場合ルートソ#に対して5度の音はレ#だ。

めしに、「♪ゆめな~」に合わせて、左手で低めのソ#を弾きながら、右手では鍵盤真ん中あたりのソ#とレ#の和音を弾いてみよう(ソ#とレ#どっちが上でも構わない)。

違和感があっただろうか? なんかいい感じだった?

違和感はないけど、物足りなさを感じたかもしれない。ルートと5度だけじゃ何かが足りないのだ。

 

トライアド

ルートと5度は半ば自動的にわかった。これにもうひとつ3度」の音が加わると、三和音(またの名をトライアド)というコードの基本形が完成する。

ルート + 3度 + 5度。これがトライアド。

さあここからコード探しの入り口だ。なぜなら、3度はそれほど自動的には決まらないからだ。原音と楽器の音を比べながらの判断必要になる。耳コピらしくなってきたぞ。

 

3度にはふたつある。長3度(ちょうさんど)と短3度(たんさんど)だ。

長3度はルートから距離にして半音4つ上、短3度はルートから距離にして半音3つ上を言う。

たとえば、ドから見ると、ナチュラルのミが長3度、ミ♭が短3度。

たとえば、ラから見ると、ナチュラルのドが短3度、ド#が長3度。

その和音がどちらの3度を含むかでコード名前が変わる。

 

長3度を含んでいれば、そのコードは「メジャー」だ。ド+ミ+ソの和音ならCがルートのCメジャー。ただし、いちいちメジャーとは言わず」とだけ書く。明るい響きの和音だ。

短3度を含んでいれば、そのコードは「マイナー」で、ド+ミ♭+ソの和音なら「Cm」と書き、シーマイナーと読む。暗く哀しい響きの和音だ。

このように、生えてきた枝葉がコード性格を決定していく。枝葉や前後関係に工夫をすると、メジャーほど明るい笑顔ではなくほほえみのようなコードとか、物悲しさの中に芯の強さを秘めたようなコードを作り出すことができる。

 

さて、では、今注目しているレモン最初の「G#ナントカ」はメジャーなのかマイナーなのか?

曲に合わせてG#(メジャー)の和音、もしくはG#mの和音のどちらかを弾いてみればいい。しっくり来たほうが正解だ。

さっきのように左手で低い方のソ#を弾きながら、右手は真ん中へんで和音を弾く。

G#(メジャー)はソ#+ド+レ#

G#mはソ#+シ+レ#

 

「♪ゆめな~」

 

どっちがしっくり来た?

G#(メジャー)は「気持ち悪い!」っていう感じで、G#mのほうは「正解!」っていう感じだったでしょ?

まり米津玄師レモン最初コードは「G#m」で決まりだ。

ノートの一番最初に G#m と書き込もう!

このように、弾きながら「ドンピシャで合ってる!」とか「合ってる感じはするけど物足りない」とか「気持ち悪い」といった印象を聴き取ってコード特定していくのが耳コピという営みだ。

 

さて次回は、トライアドの続きをやりつつ、3音じゃ表現できない和音説明しながら、レモンのAメロくらいまで耳コピを進めていくぞ。

(ただし、この記事反響が何もなかったら続きは書かない)

 

あと、シャープ記号だらけの曲選んじゃってごめんな。

  • 前に耳コピのコツを増田に連載しようと思って書き始めたけどまったく反応がなかったので(ブグマ0トラバ0)1回で辞めたの思い出した。 https://anond.hatelabo.jp/20220124223549

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