2021-12-09

マスク備蓄に向くか?

医師が布マスク備蓄に向いているというツイートをしたが、布マスクが向いている一面もありつつ総合的に考えれば向かない

というのが私の考えである

  

備蓄マスクはどのように使われるか

現在韓国などでは感染症の猛威がまだ続いているが、オミクロン型の重症度は低いと言われるなど収束兆しを見せている。

また、凶悪な呼吸器感染症危機はH5N1などあれど、世界的規模のものは約100年前のスペイン風邪まで遡る。

世界規模にさえならなければトイレットペーパーのように一時的流通の混乱だけで終わるため、呼吸器感染症のためのマスク備蓄する意義は薄い。

では、マスク備蓄が役に立つときというのは地震や水害のような災害等で局所的に流通ストップする時である

  

災害時における布マスクの優位点

マスク不織布マスクに比べフィルタ性能は落ちるもの再利用を前提としている。

また災害時ではフィルターのターゲットは塵や埃なので性能をそこまで追求せずとも良く、以下のような利点がある。

  

・廃棄のための空間的・人的コストが少ない。

・追加の供給が少なくてすみ、他の物資供給リソースを使える。

  

ただし、この優位点は再利用するための水や空間がなければ発揮されない。

  

マスク備蓄に不向きな理由

一言で言えば普段使いしないかである

私は兵站というか物資備蓄供給(以下兵站)を4つの要素がサイクルしているものと考えている。

生産→②分配(調達流通)→③保管→④消費(廃棄)

※分配(調達流通)は立場の違いで言葉が違うもので同じカテゴリとして扱っている。

  

災害時の備蓄調達してから消費されまで数年かかるものと考えたほうがよく、生産も数年に一度のものを作っているということになる。

ということは生産量も少なく製造ノウハウが積み上がらないため質が低くなる。

備蓄で足りなくなって急に大量生産しようとしても、ノウハウの積み上げから始まるので質の低いものがぼちぼちできてくるだけである

兵站のサイクルが長いものは急激な需要増に耐えられないため備蓄スタンダードには向かないというのが私の考えだ。

そして消費されなければ問題点の洗い出しもされず、前例主義によって備蓄に向かないものが再度調達されることもある。

普段使いするものであればローリングストックでこれらはあまり問題とはならなくなる。

  

アベノマスクは廃棄を前提として考えるべき

緊急時には「無いよりマシ」で備えるべきだと私は考える。

まり緊急時の備えは質より量なので事態落ち着けば質が担保されたものと置き換えて、廃棄することもセットとして考えなければならない。

そのため、廃棄費用も「政策の失敗・無駄」と考えるのではなく「緊急時における”無いよりマシ”にかかる経費」と思ったほうが良い。

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