デジタル庁に関するFACTA2月号の記事。「デジタル庁「特別厚遇」非常勤30人」
https://facta.co.jp/article/202102017.html
週勤3日以内、テレワークも兼業もオーケーで、給料は年700万~1千数百万円――。デジタル庁の発足に向け、内閣官房・情報通信技術総合戦略室は1月4日、破格の待遇で非常勤職員30人の募集を始めた。
また、技術の中身がよく分からないまま開発ベンダーに業務を丸投げして失敗してきた経験を踏まえ、民間から採用した技術に明るい人材も組織の意思決定にかかわるラインのポストに就けるようにする。今回始めた非常勤職員30人の募集でも、うち11人はプロジェクトマネージャーとして採用する計画だ。
民間から柔軟で競争力ある雇用条件で高度IT人材を雇うのは大変結構だが、ハイライトが「プロジェクトマネージャー」というのは相変わらず旧態依然でがっかりしてしまう。もちろんPMにも優秀な人材はいるが、プロジェクトを上手に進行するだけでは革新的なデジタルの成果物は生まれないのだ。
デジタル化、DXで一番重要なのはプロジェクトをいい感じにマネージする力ではなく、移り変わりの激しいIT技術のどこが要点かを的確に見抜いて多少のリスクを織り込みつつ適材適所に採用する力だ。GAFAみたいな企業ならStaff EngineerやDistinguished Engineerみたいな呼称で高待遇されているポジション。デジタル庁に最も必要な人材はそういうチーフアーキテクトな人材だろう。
今回の「特別待遇」非常勤のハイライトにすべきなのは、プロマネではなくこうしたIT人材だ。給与上限の1千数百万円もプロマネを想定しているんだろうが、プロマネよりもチーフアーキテクトにその最高額をオファーすべき。こういう細かな考え方の旧さが、日本のデジタル化を阻害していることに気づいてほしい。
あなたがわかるし、ぼくもわかるし みんなわかるから、じゃぁ、わかるからいいんじゃない? 予算と省庁の名前でわかるっしょ