2020-09-10

よくある話

会社の昔の大黒柱だった部門。近年のビジネスの規模の割に妙にリッチに開発をしていて、決算報告を見る感じではまあ悪くはないんだけど良くもないよね、みたいな感じだったけれど。

コロナ騒動あたりで明らかにヤバい気配が出た。

流石に上層部も見過ごすことができなかったのか、部門を縮小していく方向に舵を切った。

そうするともちろん人が余る。この国では簡単に首は切れない。

そこそこ利益を上げていて、でも忙しく、とにかく人手が欲しいと言った自分部署に人が上記部門の回されてきた。

部門が縮小されるからと行って、第一線で働いている人を動かせるわけがないので、管理職おっさんが回ってくる。

「私は○○と○○と〇〇の開発に携わってきました。」なるほど。よくわからん

こちらの開発業務説明すると、眉根にシワを寄せるおっさん

「この開発プロセスおかしいのでは……?」

ああそうだ。明らかにおかしい。計画がまともに機能していないし何もかもハチャメチャだ。

しかしこの分野では顧客へのレスポンス第一なんだ。

評価実験機を大急ぎで作って顧客に渡して、「ここらへんの性能データないの?」と言われたら1ヶ月でデータ取りしてその結果を営業に教え込む必要がある。

それで顧客から「ふーん、いいじゃん」の声をもらって受注につなげるのが大切なんだ。

開発プロセスの遵守は大切なのは重々分かるんだけれど、その余裕がない。

正直面倒くさいし、それを落とし込める改革はやりたいやつがやってくれ。

思いつきで考えた設計と2週間で作った実験系、そのデータが予想以上のパフォーマンスを見せたときの楽しさはたまらんぜフハハ。

駄目な開発者だ俺らは。そして駄目な開発現場だここは。

実験室に案内すると5Sの徹底などを説かれる。まあわかる。でもギリギリ遵守してるだろ。

あと、実験系の検出器の精度について指摘される。

さすが長年開発に携わってきただけあって分かるのだろう。そうだ。そこはヤバげだ。2年前に気づいていた。

しか要求を満たす高グレードなものは500万円くらいする。予算を通すのが結構キツい。

予算取りに時間をとるくらいなら今の実験系の精度でゴリ押しして保証できる性能を出したほうが楽だ。

その上検出器そのものメーカー公称のスペックも疑ってかからないといけない。検出器の評価には時間がかかるんだ。そんな余裕ないぞ。

よくある駄目なパターン

おっさん自分立場こちらの現状が十分わかっているのだろう。

ドラマの悪役のような高慢ちきな振る舞いはしてこない。

何とか自分知識立場できる改善を考えてまとめてくる。

しかし、こちらはそれに付き合っている余裕がない。

そのプレゼン資料は見たぜ。立派だな。わかりやすい。俺でもできそうだ。でも、あと半年待ってくれ。

半年待ってくれ」はこれからもずっと続きそうだ。すまん。

  • 蓄積がなく同じ事を毎回やっている現状 長期スパンで見なきゃ気づけないので、入れ替わりの激しいこの部署では誰も気づかない

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