会社の昔の大黒柱だった部門。近年のビジネスの規模の割に妙にリッチに開発をしていて、決算報告を見る感じではまあ悪くはないんだけど良くもないよね、みたいな感じだったけれど。
流石に上層部も見過ごすことができなかったのか、部門を縮小していく方向に舵を切った。
そうするともちろん人が余る。この国では簡単に首は切れない。
そこそこ利益を上げていて、でも忙しく、とにかく人手が欲しいと言った自分の部署に人が上記部門の回されてきた。
部門が縮小されるからと行って、第一線で働いている人を動かせるわけがないので、管理職のおっさんが回ってくる。
「私は○○と○○と〇〇の開発に携わってきました。」なるほど。よくわからん。
ああそうだ。明らかにおかしい。計画がまともに機能していないし何もかもハチャメチャだ。
評価用実験機を大急ぎで作って顧客に渡して、「ここらへんの性能データないの?」と言われたら1ヶ月でデータ取りしてその結果を営業に教え込む必要がある。
それで顧客から「ふーん、いいじゃん」の声をもらって受注につなげるのが大切なんだ。
開発プロセスの遵守は大切なのは重々分かるんだけれど、その余裕がない。
正直面倒くさいし、それを落とし込める改革はやりたいやつがやってくれ。
思いつきで考えた設計と2週間で作った実験系、そのデータが予想以上のパフォーマンスを見せたときの楽しさはたまらんぜフハハ。
実験室に案内すると5Sの徹底などを説かれる。まあわかる。でもギリギリ遵守してるだろ。
あと、実験系の検出器の精度について指摘される。
さすが長年開発に携わってきただけあって分かるのだろう。そうだ。そこはヤバげだ。2年前に気づいていた。
しかし要求を満たす高グレードなものは500万円くらいする。予算を通すのが結構キツい。
予算取りに時間をとるくらいなら今の実験系の精度でゴリ押しして保証できる性能を出したほうが楽だ。
その上検出器そのもののメーカー公称のスペックも疑ってかからないといけない。検出器の評価には時間がかかるんだ。そんな余裕ないぞ。
よくある駄目なパターン。
おっさんも自分の立場とこちらの現状が十分わかっているのだろう。
蓄積がなく同じ事を毎回やっている現状 長期スパンで見なきゃ気づけないので、入れ替わりの激しいこの部署では誰も気づかない