足立区の荒川近辺でとっ捕まったシカが、ヤフーニュースで話題になっている。
捕獲作戦なんてテレビでやりだしたころから、なんとなく嫌な予感はしていたのだが、案の定、動物好きな人が関心を持ってしまった。
2年ぐらい前に、似たような話があった。おぼえている増田はいるだろうか。
北九州の砂防ダムにイノシシが落ちて出られなくなったのが全国ニュースになった。
やはりそのときも、ニュースを見た人がかわいそうだと暴れまわり、行政に怒りの電話を入れていた。
たまたま自分は現場近くで暮らしていたのだが、イノシシの恐怖といったらなかった。子どもが襲われそうになったことは一度や二度じゃなかった。
イノシシはデカイ。デカイ動物はそれだけで怖い。野生動物で普段見かけるのは、普通せいぜい犬猫だろう。それでも向かってこられたら結構恐怖を感じるはずだ。住宅地を歩いていて、すぐ近くにイノシシが出てきてしまったことがある。見逃してくれたが、突っ込んできそうな姿勢を見せたときのあの恐怖。経験しないと分からない。
イノシシは夜行性だから、子供は日が暮れると外出禁止だった。自分は夜にどうしても出歩かなきゃいけないとき、気休めに音がなるピストルのおもちゃを持ち歩いてたくらいだ。
当然、住民のほとんどはイノシシを処分してほしかったんだけど、役所にしこたま早く助けろって電話があった。新聞に載ってたんだけど、1日300件も来てたらしい。しかも北九州市外から。結局、役所はどうにもならなくて逃してしまった。頭に来たけど、本当に職員が憔悴してたから何も言えなかったよ。
足立区のシカも、やっぱりいろんな人が電話しまくってるみたいね。
でも電話する前に、自分の家の周辺でそこそこデカイ、シカがうろつくのを想像してみてくれ。それも、人がたくさんいる街場に。人馴れしてるシカじゃなくて、野生の獰猛なシカが。角を振りかざして人を襲うかもしれない、車に飛び出して大事故を引き起こすかもしれない。それでも逃がせというのか?
さらに言うと、本来東京都心部にシカは生息していない。もし、逃して定着してしまえば、もとからいた生き物が住処を奪われてしまうことになる。たった一匹と思うかもしれない。ただ、その一匹が生態系をめちゃめちゃにしてしまうことだってある。
シカがかわいい。なんとか助けてあげたいという人に、俺の言い分を理解してもらうのは限りなく難しいとは思う。これまでも「サイコパスとっと死ね」みたいなことを言われてきた。