2020-02-01

マスクウイルスは防げない」という説について

SNSで「マスクウイルスは防げない」という話がSNSでバズっているが、これはどこまで本当なのだろうか。根拠とされている記事やそのソースを読んでみた。

日常的なマスク着用による感染予防効果について - ヨシダ製薬

https://www.yoshida-pharm.com/2018/letter128/

マスク着用群とコントロール群に分け、マスク着用群では発症者が他の家族と同じ部屋や限られた空間(車の中など)にいる場合マスクを着用することを5日間実施しました。その結果、調査間中家族インフルエンザ様症状を示した割合は、マスク着用群は16.2%、コントロール群は15.8%で有意差はなく、マスク着用による感染予防効果は認められませんでした。

家庭内のみでの調査なので、外出時のマスク着用の効果についての根拠としては弱い。家庭内なら食事歯ブラシ等を介した飛沫感染の影響が大きすぎるのではないか

医療従事者32名をマスク着用群17名、非着用群15名に分けて77日間、咽頭痛、鼻水、咳など風邪症状を記録する調査が行われました。(中略)風邪症状の重症度に有意な違いはなく

この部分に関してソース論文確認した所、各群から感染者が1人だけしか出ず、結論として、マスク効果の有無を実証するには、より大きな研究必要だ、と書かれていた。マスク効果がない事のソースとしてこの論文を出すのはおかしいのではないか

サージカルマスク着用を義務付けただけでは有効な予防効果はなかったと報告されており、多元的対策効果検討する必要があります

ソースが閲覧できなかった。

N95マスク群で48名(22.9%)、サージカルマスク群で50名(23.6%)のインフルエンザ感染が生じ、マスクの種類による感染予防効果の差はみられなかった

N95マスク(微粒子用マスク)と一般的マスクとで差が無かったという話。今回の話と関係がない。

マスクをつけてもインフルエンザ感染を防げない理由 - 講談社

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68435

インフルエンザウイルスの直径は0.1マイクロメートルぐらい、一方、通常のマスクの網目は10マイクロメートル以上だからです。つまりマスクの網目はウイルス100倍以上も大きいのです。したがって、空気中を漂うウイルスマスクだけで防ごうとするのは無理です。

健栄製薬のインフルエンザ感染経路に関する記事によると、"インフルエンザ飛沫感染します。空気感染しません"、"空気感染する感染症は結核、水痘、麻疹の3つだけです"だそうだ。他にもインフルエンザ空気感染否定する記事が大量に見つかった。もしインフルエンザ空気感染しない(≒ウイルス空気中を漂わない)のであれば、インフルエンザウイルスの直径がマスクの網目より小さかろうが関係ない事ではないか

ただし、くしゃみのように、飛沫の中にウイルスが含まれている場合には、マスクが飛沫をひっかけてくれる可能性がありますしかし、感染した人のくしゃみを直接浴びるようなことは少ないので、実際のマスクによる感染予防効果はかなり低いものと考えていいでしょう。

厚生労働省咳エチケットによると、"くしゃみをするとき、しぶき が 2m ほど 飛びます"だそうだ。自分の周囲2メートル以内の人がくしゃみをする可能性は無視できるほど低いのだろうか。

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