この間くされ縁の友人と飲んだ。いつものことだ。
奴はうんちく大好きで、毎回違ううんちくを持って俺に話す。
俺はそれが好きだ。目の前にラジオがいるみたいで。
適当に相槌を打って俺はそれを聞く。
「そうか」
「そうだよ」
奴は嬉しそうに笑う。
笑うのはいいことだ。怒るよりいい。
奴は今回宇宙のうんちんを持ってきた。
俺は宇宙に興味が無い。全くない。0だ。
でも奴はいった。
「ボイジャー1号って知ってる?」
「ブラジャーなら知っている」
こういう俺の下らないことにも奴は笑ってくれる。
「ボイジャーってね」
と、今回はここで終わってしまった。
俺も奴も社会人になって10年は経つ。それなりにそれなりだ。
奴の部下がミスを起こしてしまったので、奴は珍しく本当に申し訳なさそうに俺に謝り、
店を後にした。
太陽系を探索し、今はやっとその外を出たと。
で?どのくらいの速度?
俺は奴に、
そうLINEを送った。
翌日、奴から返事が来た。
は?時速6万km?!
俺は調べ直した。確かに時速6万kmだった。
いやいや。めっちゃ早いじゃん。これなら直ぐ近くの星に行けるんだなって思っていたらこのサイトに
行き当たった。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/b/090800112/?P=2
時速5万6000kmを超える速度で、へびつかい座の方向に飛行するボイジャー1号は、宇宙空間にある最速の人工物だ。
2012年に初めて太陽圏を離脱して星間空間に入る探査機となったことが、翌年になって公式に発表された。(参考記事:「ボイジャー1号の太陽系外到達を確認」)
西暦4万472年には、ボイジャー1号はきりん座の恒星グリーゼ445から1.7光年以内のところを通過する。
ボイジャー1号は5万6000年後にオールトの雲から出て、57万年後にはGJ 686とGJ 678という2つの恒星の近くを通過する。
え?時速6万kmで飛んでも次の星に辿り着くの4万年かかるの?
いやいや。まてまて。宇宙の果て凄い遠いやんって思って調べてみたら、めっちゃ近場じゃん!宇宙的には。
そこで俺は初めて光の速さを知った。
毎秒30万km
ファーーーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwww
え?そんな速さで進めたとしても、一番近い星は4年だって!
ファーーーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwww
それで太陽系みたいな塊が沢山集まった銀河ってやつの数が2兆wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
そして宇宙の広さは465億光年wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
馬鹿かよ!
この設定考えた奴子供だろ!!
RPGの初期にありがちな絶対クリアできない感じは何なの?レベルや装備やクリアしないといけないイベントを人類は全然クリアできてないじゃん!
いやいや。引きこもりじゃん。地球人宇宙全体から見たらただの引きこもりじゃん。月しか行ったことないんでしょ?
完全に引きこもりじゃん。
クリアできるの?これ。
色々調べてみたらこの世界は仮想空間である説もありえるみたいなのでてきて、確かにって頷いちゃったよ。
でも、本当にどうするの?光速で移動しても数年かかる星にも行けない人類はどうするの?なんかもうワンステップ進む何かが無いと、
ずっと地球にいたままなの?
宇宙やばくない?光速で移動できないのに、750憶光年もある宇宙をどう攻略するの?
だってこの宇宙の外にはまた同じような宇宙が凄い数あるんでしょ?
こんな設定を部下が持ってきたら流石に説教だよ。
なにより不思議なのは、そんな750億光年もある無限に近い広さの空間の中に浮かんでいる地球の中の日本という国の中で、はてな匿名ダイアリーっていうサービスがあって、
それにこれを書き込める不思議。