2018-11-04

親友だと思ってる子に恋人ができた話

親友だと思っている子に恋人が出来た。

それはもうすごく嬉しかった。ずっと「彼氏」という存在を求めているのを知っていたから、それはもう自分のことのように嬉しかった。最初は。

の子から直接惚気を聞く分には全く苦じゃなかった。笑顔幸せそうに話すその子を見るたびに、どうしようもなく温かな気持ちになったし、柄にもなく私も恋愛したいなと思ったほどだった。たまに寂しいなと感じる時が無かったわけではないけど、こうして惚気を聞かせてくれるならまぁいいかと、その子から呼び出しもラインも私にとっての楽しみだった。

決定的だったのはインスタ。

いつも使っているオープンアカウントとは別に鍵をかけたアカウントを作ったのだと、彼氏との出来事を綴るのだと教えてもらったアカウント。私の他にももちろんフォロワーはいるけど、オープンものより遥かに少ない。本当に限られた人にしか教えてないのだと目に見えて分かったから、信用してくれてるようですごく、いや、すっっっっっごく嬉しかった。だって親友だと思ってる子が思い出を共有してくれてるようなものだよ?そりゃもう嬉しい。はずだったよ。

教えてくれた時に言っていた当初の目的通り、そこのアカウントには彼氏との幸せな日々が綴られ始めた。何気ない日常からお出かけした時の素敵な写真まで、とにかく画面から幸せが溢れてくるようだった。

そう、「幸せ」。

これが私には耐えられなかった。

あんなに嬉しかったのに。惚気を聞くことがあんなに楽しみだったのに。写真という媒体で伝えられた途端、耐えられなくなった。

最初は、「幸せそうだなぁ」。次に、「なんでこんなぽっと出のやつにとられなきゃいけなかったんだろう」。次に、「なんで?なんで?なんで?」

最後に、「羨ましい」

言っておくが、別に同性愛者でもないし、この子は本当に友達として親友として大好きなだけだった。でも、その感覚さえ間違っていたのではないかと思うくらい、私はこの子恋愛対象として好きだったのかと思えてしまうくらい、彼氏がひどく羨ましく思えてしまった。

出会ってもうすぐ10年経つ。部活出会い、なぜかすごく仲良くなり、お互いが病んだ時はすぐに駆けつけ、一緒にめちゃくちゃ遊んで、「彼氏いらない!」と2人でたくさんカップルの真似事をした。今だって、あの頃のように頻繁には会えないけど、お互いの誕生日特別で、困った時や元気が欲しい時に1番にラインする相手はその子だ。

そんな、笑顔が素敵な私の大事大事親友を、私は「彼氏」に奪われてしまった。インスタを見てたらそう思ってしまったのだ。

1度そう思ってしまったら、止められない。幸せそうな写真を見るたび彼氏への憎悪つのる。でも、親友幸せは私の幸せ。潰せるわけがない。苦しくて仕方がなかった。その子に愛される彼氏が憎くてたまらなかった。そういやその子から相談ラインも減った。嫌なことがあると私にラインするのではなく、今はもう彼氏の家へ行くのだとそのインスタの文面で思い知った。彼氏というポジションだけでなく、私が元いた「頼っても許される友達ポジションまで奪われた。もともとその子にとって私はそんなポジションじゃなかったのかもしれないけど。

苦しくて憎くて悲しくて、どうしようもなくなった時、別の友達相談した。

時間解決してくれる」

絶望した。んなわけねぇだろ。そもそもそれならもう解決してる。どれだけ経ってると思ってるんだ。

相談したせいで、余計惨めになった私は、今こうしてここに書いている。きっと数日後に後悔するし、また惨めになる。わかってるけど、吐き出さずにはいられないのだ。

わかってる。「友達」でしかない私という存在をいとも簡単に超え、その子の1番になった彼氏にただの醜い嫉妬をしていること。「友達」だと与えることができない幸せ彼氏が与えていることにただただ拗ねているだけだということも。分かっているけど、この感情を止められないのだ。

誰よりも大切で大事で大好きな「親友」。だからこそ絶対幸せになって欲しい。いつかこんな時が来ることなんてどこかで分かってたはずなのに。彼氏ができたくらいでこれなら、その子結婚する時なんてどうなるのか。ドレス姿見せて欲しいけど、嫉妬に狂う様なんて見せたくないから式場には行けないかも。

現在も付き合いたてと変わらず幸せな君たち。きっとこれからもインスタには幸せそうなツーショットが溜まっていくだろう。私は今日もそれに「いいね」する。憎しみと嬉しさを込めて。

大好きです。ずっとずっと幸せでいてね。

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