タイトルで落ちてるのだけれど、モヤモヤしているので書く。
シリアで長期間拘束されていた安田純平氏が解放・帰国した件について、彼の行為を無謀だとか迷惑だとかと批判する意見を見る。
発言が気に入らない・整合性がない、という批判はわかる。納得するかどうかは別として、筋はあるからだ。
ただ、彼の行為が無謀・迷惑とそんなに簡単に批判できるのか、が分からない。
無謀、という批判について、彼の行為を登山に例えた例を見た。
無謀な登山とは、思うに、登山者の技術と準備が必要なそれに全く追いついてない、ということだろう。
つまり技術的な評価であるから、批判するには知識・技術・経験が必要になる。
私は安田氏がしようとしたことに対して必要な技術と準備がどういったものか、全く知らない。これでは評価しようがない。
シリア内戦の知識すら十分じゃない。まして、どう潜入するのか、どのように安全確保するのか、それが氏のしようとした事に対して十分なものであったか、
なんて、どうやって評価すればいいんだ。少なくとも私には絶望的に無理だ。途方に暮れる。
確かに日本政府が危険だと警告していたわけで、技術も準備もなく素人が観光で行くのは無謀だろう。
だが、それを基準に批判するなら、8,000m級の山に登山するすべての登山者は無謀だ(それはそれで一理あるかもしれないが)。
迷惑、に関してもよく分からない。一個人のリスクが今回の件でどれくらい上がったのか、正直評価する知識がない。
国とか世界に対しての迷惑というなら、リスクとベネフィットを評価する必要が出てきてしまう。
ジャーナリストにしろ戦場カメラマンにしろ、彼らがもたらすベネフィットを事前に評価することは
ほぼ不可能だろう、なにしろ「分からない」からこそ行くのであるから。
となれば、素人からすれば、ある科学の基礎研究が巨大な実利を生むかどうかを事前評価するのとどっちが難しいんだか、というレベルである。
評価不能とばかり言って馬鹿じゃないのかお前はと思われそうだが、これが私の正直な現状だ。
「常識で考えればわかるだろう」と言われそうだが、そもそも「常識」が通用する話なのか分からない。
前提となる「常識」も定義されていない。そもそも私に多分「常識」が足りない。
批判しようにも擁護しようにも、全く知識がない、という事実が明らかになるばかりだだ。全く情けない話である。
となれば、専門家の知見を頼るしかない。実際、彼の行為が無謀で無意味な、ベネフィットがなく多大なリスクしかないものなら、
まっさきに同業者の方が批判している、とも思うのだ。風当たりが強くなって迷惑なのは彼ら彼女らなんだから。
こんなふうな捏造じゃなくしっかりした批判が、いずれ専門家から出てくるかもしれない(すでにあれば知りたい)。
そんなわけだから、安易に彼の行為を褒める事も批判する事もできない私に今できることは、「まずは、生きててよかったねえ」とつぶやくことぐらいなのだった。
今後の識者・同業者の評価と、なにより安田氏自身のアウトプットを待ちたい。
自分自身の哀しいほどの無知に関しては、ぼちぼち何とかしていきたいので、
良書があれば教えていただけるとうれしい。読む時間をひねり出す方法を考えるのが先な気はするが。
ベネフィットはズバリ金だ。 報道機関にとって現地の"絵"が取れるだけで視聴率が稼げる、だからフリージャーナリストを雇い危険地帯の映像を取らせに行かせる。 リスクは殺されるこ...
彼、5回も拘束されてるんだよねぇ…
それが何か?捕まったから、どうなの?
捕まらない方が情報収集できるんじゃね? むしろあえてホームステイしてんのか?
英雄じゃん。
6回めがいつになるか気になるな。