2018-03-25

anond:20180324204110

マクスウェルの悪魔

分子の振る舞いを測定することができれば、熱力学の第二法則無視できるように見える(永久機関が成立する?)」という思考実験。どこがおかしいかで多くの科学者を悩ませた。

中国語の部屋

あなたのいる部屋には一冊の照合表が置かれ、部屋の壁には紙が差しまれ差し出すためのスリットが開いている。あなたに与えられた命令は「○○○」という中国語メッセージが入ってきたら、「△△△」と書いて返せ、というものだ。あなたは指示に従い、外から差しまれ中国語メッセージ中国語リアルタイムで回答する。外の人は部屋の中に中国語理解する人がいると思うだろう。あなた中国語を何一つ理解していないのに。…人工知能言語を「理解」していると言えるのか、という問題

サバイバル・ロッタリー(臓器くじ)

移植技術が完全に発達し、人々は安全確実に他人の臓器を移植して健康回復できるようになった。そうなると、今度は移植用の健康な臓器が足りなくなった。そこで政府は新しい法律を作ろうと考えている。それは「サバイバル・ロッタリー(臓器くじ)」である。このくじは100%公平で、いかなる身分立場・年齢の人も免れることはできない。生きている限り人は全てこのくじをひき、そして一定確率で「体の全ての臓器を、移植を待つ人に提供する」義務を負う。つまり死ぬ。その代わり、あなた健康な臓器を移植される何十人もの人々はそれによって健康回復することができる。このようなくじを行う法律を作ることは妥当か?

箱の中のカブトムシ

(いくつか見かけた説明がどれも間違っているので修正しておきます)人が使う言語の「意味」とは、それぞれがもつ箱の中だけをのぞき込んでそこにいる虫を「カブトムシ」と呼んでいるようなものだ、という話。他人の考える「意味」をお互いにしることができないという思考実験、とされていることが多いですが、この思考実験の真の意味は、お互いの箱の中が決して見えないとしても会話は成り立つ、という点にあります。つまり、Aさんが「赤」と呼ぶ色とBさんが「赤」と呼ぶ色が、それぞれ心の中で全然違う色を指していたとしても会話は問題なく続いていくという可能性があることを示唆した思考実験なのです。【コミュニケーションとはAさんとBさんが「コード」に基づいて「意味」を伝達する行為だ】という古典的コミュニケーション論に対する反論としての思考モデルなのです。

記事への反応 -
  • こういうの好き。 ◆テセウスの船 ある物体(オブジェクト)の全ての構成要素(部品)が置き換えられたとき、 基本的に同じである(同一性=アイデンティティ)と言えるのか? ...

    • マクスウェルの悪魔 「分子の振る舞いを測定することができれば、熱力学の第二法則を無視できるように見える(永久機関が成立する?)」という思考実験。どこがおかしいかで多くの...

    • 伸びるかなと思ってたら伸びたな。 各パラドクスや哲学についての回答の1例を記す。   ◆テセウスの船 ある物体(オブジェクト)の全ての構成要素(部品)が置き換えられたとき、 ...

      • 人間の思考を機械で徐々に代替化していって 最後人間としての肉体が朽ち滅んでも意識が機械によって継続してる状態は哲学的ゾンビの範疇に入るの?

    • ブックマーク数が170なのにトラバは一つだけ。おそらく本人。 それだけ乖離しているというわけで、逆にいえば短時間=数分でトラバが異常なまでにつながっているのは、 特定の人...

      • んなわけねーだろ。 増田民とブクマ民の関心領域が違うだけだよ。

    • マクベスの箱庭

    • シュレディンガーの猫と、水槽の脳とかを一緒にするのはあんまりうまくない 物理学の思考実験と哲学の思考実験って意味合いが全く異なるから 物理学的な思考実験なら、ラプラスの...

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