人格を形成する時期に、ひたすらググれカスの世界で生きてきたから人に物を教わるのが苦手だ。
学校に通っていた頃は、知らなければいけない情報は全部プリントかネットか教科書に書いてあったので困らなかった。
卒論だってエンジンやソフト適当に入れてプログラム書いてデータ入れてポチーしてまとめれば終わりだった(ただし、設定や内容の理解にはかなりの時間を要した模様)。
思えばネットをやるよりも前から人に何かを聞くのが苦手だった。
他人に質問や要求をしないといけない選択肢は極限まで選ばず、誰からも許可を求めなくていい範囲で、他人の協力を得ずに出来ることばかりやっていた。
だが会社に入って状況が変わった。
相手の会社の社内ルールに忖度したり、特定の上司を相手取るための忖度ルールが飛び出してきたりもするのでその数は膨大だ。
そんな状況になっても、どうにも人に聞くという行為が躊躇われる。
何故なのかは分からないが、相手に直接面と向かって「あなたの時間を分けてください」と頼むのがとてもキツい。
だが、システムになりきっていない状況での質問はそれが必要不可欠であってもとても消耗する。
ほぼ確実に一度は誰かに聞かなければ、他人の仕事を見ても盗みようもないほどに煩雑な類の(というよりも理屈というものが通用しない)社内ルールを身につけるために勇気を出して人に聞くのが本当に辛い。
どうしてこんな目に合うんだ。
社内ルールを作る時に全部明確にマニュアル化して、そのバイブルを残しておいてくれ。
何故、曖昧な口約束の積み重ねが絶対遵守の不文律と化してしまうんだろうか。
吐き気がする。
法則性を導くことが不可能な(正確に言えば法則性がほぼ破綻している)規則が自分のすぐ真下で蠢いているという事に目眩がしてくる。
なんだろう。
俺、アスペだったのかな。
そういうの本当に無理なんだ。
おかしいな、最初は人に質問するのが苦手だって話がしたかったんだけど、いつの間にかテーマが変わってきたぞ。
不愉快だ。
消したくなる。
だけど堪えて残す。
この経験が俺を強くするはずだ。