2017-11-01

[] #40-4「お菓子祭り作戦

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「お、こんな所で会うなんて奇遇だな」

弟を捜す道中、バイト仲間のオサカと出会った。

悪魔らしき仮装をしているが、もっと具体的なモデルがいた気がする。

「ああ、この仮装? イービルマンのコスプレ実写映画版のデザインだ」

ああ、そうだ、イービルマン。

だがイービルマンの実写版って、確か十数年以上前作品だったような。

モダンというには時代遅れだし、レトロというには年季がない。

なんでそんな微妙なのをチョイスするんだ。

「お前の趣味ケチつける気はないが、『ヒューマン・アウト・ザ・シェル』とか、かろうじて『退却の小人』あたりじゃないと伝わりにくいんじゃないか?」

「やだよ、そんな如何にもパリピ御用達みたいなの。『ヒューマン・アウト・ザ・シェル』をネタにする位なら、『ブレードインナー1192』の方をネタにするね。目玉つぶされる人の仮装ね」

流行が嫌なら、もう少し不朽の名作とかにしたらどうだ。ティムバーサン作のゴシック映画とかさ」

ティムバーサン? 冗談はよしてくれ。才能の出がらしで見せ掛けだけの映画しか作れなくなったロートル監督だろ。時代遅れなのにパリピ御用達という最低のチョイスだ」

こいつのセンスイマイチ分からん

だが、今はそんなことはどうでもいい。

こいつとシネマ談議をしたいわけじゃないんだ。

「まあ、それはともかく、弟を見なかったか? こっちに来たと思うんだが」

「弟くん? さっき見かけたよ。『お前たちのやってるのはハロウィンじゃない!』とか叫んでた」

自分の表情が歪む。

俺はそれを左手で覆い隠す。

あいつ、予想していた通りのことをやっていた。

的中したのに全く嬉しくない、むしろ外れていてほしかった。

自分がヘマをしたときよりも、身内のことのほうがかえってキツいかもしれない。

「弟くんのあの様子からして、恐らくハロウィンの出生とかを聞きかじったんだろうな。ああゆうニワカ仕込みの知識で行動できるのは子供か、子供みたいな大人特権だ」

「どっちに行った?」

商店街の方に向かったよ。それにしても、弟くんの青臭さが羨ましいよ。原理主義者や懐古主義者なんて、文化新陳代謝を阻害しコンテンツを廃れさせて、足を引っ張る存在だってのに。映画と一緒だ」

お前も大概、懐古主義だろ。



ハロウィンって」

歌:マスダ


なに? なに?

これがハロウィン

これが? カボチャ

それが何なの?

ただコスプレして甘いもの食ってるだけじゃんか

なにこれ?

なに? なに?

何かの間違い?

なに? なにが楽しい

なぜ?

自分のやってることに疑問がなくてバカみたいだと思わないのか

なぜ?


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