2017-08-30

コンサルタントとしての失敗談

企業コンサルタントとして開発業務をした経験を、コンサルタントになりたいと思っている方の参考になればと思い書く。

業務を依頼した企業の方達は基本的に大雑把な開発目標を書いた数ページのパワーポイント資料のみ使う。

こちらはその数ページのパワーポイント資料を元に開発を行うのだが、詳細な定義や指示などは書かれていない。どこにも詳細な資料はない。相手の方達の頭にはもっと詳細があるのだがそれでも曖昧である

詳細を質問すると「当たり前」とか「自分で考えて」という回答率が高い。禅問答のようなやりとりで長時間になることが多い。

意図を推測しながら作業を行う。作業毎日時間になり、意図していたものと違うとやり直しさせられることも頻繁にある。命令口調で非常に疲れる。コンサルタントには業務範囲がなく何でも叶える必要があるのだ。

こちらも報告は基本的パワーポイント資料で行う。こちらが作成した詳細資料は見る時間がなく不要から要らないと言われる。

向こうの方達には専門知識が余りないと想定して資料を作る必要がある。曖昧ギャップが大きく適切に理解可能資料を作るのが大変である

報告のパワーポイント資料では、開発目標必要な開発項目のパターンを尽くした一覧表を求められることが多く、表の大半のセルが埋まっている必要がある。

セルを埋めるために明らかに重要でないことを調べるのに多くの時間を使う。

曖昧だったり未調査項目があると徹底的に批判される。未調査新規な内容があると批判されるので、数週間で開発できると分かってるのに、結局既存手法製品を利用して開発することになる。

非常に苦労したにもかかわらず、しょぼいものができる。

このような組がフロア内にいくつもある。他はもう少し詳細度が高く資料作成しているようだが開発内容はしょぼかったと思う。どうやって上手く仕事ができるのか分からない。

いわゆる上流工程はこのような「お役所仕事」を指すらしく、全社的にこの方法で開発している企業結構あると思われる。それが日本ソフト開発効率が悪く新規ものが出てこない理由の一つだと思っているが負け惜しみだろうか。

私は開発者チームに入って、詳細調査サンプル付きの資料を分担して作成して理解しあって、数年で世界初と言えるシステムを開発したことも複数回ある。開発チームのメンバーマネージャーはいるが基本的には対等な関係だった。高度な専門知識結構短期間でみんなが理解できるものなのだ。こういう企業にも何故か大抵せっかくの優れたシステム継続的改善していかないという別の問題がある。開発を行わないSEに引き継いで、優秀な開発者は別システムの開発に回されるのだ。

今では業務内容に「コンサルタント」や「パワーポイント」の用語を見かけると関わらないようにしているし、その手の経験をした企業とも(呼ばれないし)関わらないようにしている。

  • 詳細を質問すると「当たり前」とか「自分で考えて」という回答率が高い。 パワーポイントを避ければ避けられるような問題なのかちょっと疑問。

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