総評としては、これもニワカがよく言う“イマドキの映画”にカテゴライズされてしまうのであろう。
残念ではあるが、今のこの国にこれ以上の出来のゾンビサイバルを求めるのは酷ということは知っておかなければならない。
しかし、自分のような他作品に多く触れてきた人間からすれば、満足に足る代物ではないことも確か。
不出来なパスタを美味しく食べられるのは、腹が減っているか無類のパスタ好きな人間だけなのである。
限られた手札でスタッフたちはベターなクオリティを目指し、スポンサーや想定している顧客の期待に可能な限り応えようとした。
その努力の跡は窺えるのではないだろうか。
自分は映画に点数をつけるスタイルでは評論しないが、今回はレビューを読んで映画を観た気になりたい特定の読者の期待に応え、点数をつけてみたいと思う。
この『ウメダ・オブ・ザ・デッド』は「50点」!
何点満点中?
自分で考えろ!
「レビュー読み終わったよ」
「お、どうだった?」
俺はオサカほど色々考えて観るタイプじゃないので、どうもこうもない。
だがそうも言ってられないので、気になるところを何とか捻り出す。
「このレビューで共感できる人って少ないんじゃないか。お前を多少は理解している人間からすれば、熱意は伝わるかもしれないが」
「ははは、それは顛末な問題だよ、マスダ。レビューで大事なことは意見を発露したり、共有しようとすることさ。人と意見を一致させることではないし、違う意見の人間を言い負かすために必死になることでもない」
「じゃあ、カジマみたいなのが賞賛したり、或いは批判していても構わないと?」
「そりゃあ、個人的な感性からくる拒否反応はでるけどね。他人の意見はあくまで他人の意見だし、所詮は全て主観だ。それは大前提さ。自身が響けば名作、響かなければ駄作。他人に押し付ければそれ以前の問題になる」
俺には行き過ぎた言論の自由と傲慢の区別がイマイチつかないのだが、オサカ曰くほとんどの人間は健全に謳歌している範疇ということらしい。
俺から見たらどう取り繕ったところで、主観を各々が垂れ流すだけの環境では不毛にしかならないと思うのだが、オサカみたいな人間にとってはそれは必要なことなのだろうな。
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