常に人手不足だが、最近では必ず人づてで人材を補充するようにしている。
食事という名目でその知人の人となりをチェックし、一緒に働きたいと思える人物であれば勧誘する。
いわゆる意識が高い系の人ともたくさん接してきた。
その中で、共通事項を述べるのであれば、彼らは物事に興味・関心がない。
好奇心旺盛に振る舞い、あれはすごい、これはすごい、どこそれが好き、と述べるが、結局その核は自己愛であることが透けて見えてシラけてしまう。
賞賛される立場に身を置けるかどうかのみが彼らの本当の関心なのだ。
自らの立場が最大の関心ごとなので、大した働きをしていなくても、すぐに待遇面の改善(というよりも優遇)を要求する傾向がある。
それが経営者である場合は、自らの利益へ吸い上げることしか頭に無い。
商売関係は金銭以外にも「貸し」「借り」があるのだが、彼らはそれを理解していない。
なので、よっぽど特殊なものを持っていない限りは、私は彼らに話を持ちかけることはないが、
顔が広い人が多いので、ほどほどの距離を保ちながら付き合いを維持する。
逆に本当に有能だったり、意識が高い人というのは、物事に興味・関心がものすごい。
教授なり研究者なりの肩書きはないが、彼らは人生の研究者というくらい様々なことに対する追及をやめない。
そこから生まれる経験は厚く、説得力もあるので、おそらく誰が会ってもこの人物は大成すると思うだろう。
自分自身の待遇はもちろん気にかけるが、それ以上に仕事を通じて得られることの方が関心ごとのようで、
待遇面でも多くを望まない傾向にある。
驚くべきことにこちらから持ちかけても断ることもある。
彼らは自発的に改善することはほとんどないが、こちらが想定される事態を先読みして指示をしていればスムーズに物事が運ぶ。
改善を求めることもあるが、その頻度は意識高い系のそれよりはよほど少なく、経営する側の心理的なコストもかなり低い。
以上のような比較から、雇う側からすれば、意識高い系というのは使いづらく敬遠されることになる。