2016-01-19

運が悪い人

あなたは運が悪いと思いますか?」

この質問に、力強く「はい」と答えそうな人が身近にいる。

実際に面接で聞かれたらテンプレ回答的に「いいえ」って言うのかもしれないけど、まあそれは置いといて。

しょっちゅう「私は運が悪い」「出掛けるといつも悪いことが起こる」「最初から最後まで楽しかった外出などない」と言っているような人だ。

よく言っていることとしては、以下のようなことが頻繁にあるのだそうだ。

何かと順番を抜かされる、ぶつかられる、舌打ちをされる、ジロジロ見られる、改札がエラーを起こす、コンビニで箸やストローを忘れられる、

店員を呼んでもこない、注文が忘れられる、注文を間違えられる、わざわざ念を押したオーダーも通ってない、店の予約が出来てない、

初めて入った店で案内された禁煙席に空調の関係喫煙席からの煙が流れてきて予定より早く席を立つことになる、急ぎたい日には遅延・渋滞

近くの席にうるさいおばさんや学生グループがくる、ひったくり交通事故現場に遭遇する、確認せずに行くと臨時休業や休館・改装工事中

路肩駐車が自分の進行ルート上に停まる、路駐の車を避けようと道を渡ったら車が発進していなくなる、タクシーがつかまらない、

カバンや靴が壊れる、装飾品を失くす、捻挫や爪が割れるといった怪我をする、順番待ち中に自分の前の人がやたら長い、ふと時計を見ると毎時13分とか4:44とか、

道を聞かれたりアンケートキャッチに絡まれバス電車に乗り遅れる、洗濯物を干して出かけると通り雨、洗車すると雨、黒猫自分の前を横切る、

Webでの手続き中にエラー通販定期購読が予定通り届かない、同じことをして自分だけ怒られる、むしろ自分は何もしていないのに怒られる、etc...

本当にそりゃー運が悪かったねぇ、みたいなこともあれば、

何か工夫したら改善されるんじゃない?とか、気の持ちようで気にならなくなるのでは……?みたいなことまで、本当に多岐にわたる。

そして上記のようなことをとてもよく覚えていて、似たようなことがあると「あの時も、あの時も、あの時も……ほら頻繁だ!ああやっぱり私は運が悪い!」となる。

不運に遭ったことを「笑い話にする」ということがどうもできないらしい。

話を聞くに、どうも根底には幼少期から兄妹内で(親は無自覚のようだが)差別を受けて理不尽に晒され「どうして自分ばかり……」という思いを蓄積してきた結果、

自分は運が悪いんだ(私は悪くないんだ)」というところに逃げ込むしかなくなって、些細なことも全て悪い方に捉えたり、

「ああやっぱり自分は不運なんだ」と自分にずっと言い聞かせていないと納得というか、心の安定を保てなくなってしまっているような感じを受ける。

さらに「私はこんなに不運に見舞われながら苦労して頑張っているのに、(私より人生イージーモードなハズの)アイツが弱音を吐いているのが許せん」と

他人への敵意や攻撃性に変換されたりしていることもあって、なんだかとても危なっかしい。

上にあげたような事であれば、大半はそもそも「まあ些事よ些事」と気にしなかったり、

今日は厄日かな?天中殺かな?星の巡りがダメなのかな?」と茶化してすぐに忘れるタイプ自分からすると、

さな不幸を探すためにずっと下を向いて歩いているような状態に思えるので、人生エネルギーの使い方としてもったいないんじゃないのー?って思うのだけれど、

お互いいい大人であり、下手に口を出すことでもないだろうと思って、そっと心療内科を勧める程度にとどめている。

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