一応ぼかしておくと、AKBでも、ももクロでもなく、地下アイドルから人気が出て武道館をやれるステージのグループだ。
過去はよくあった接触イベントも、人気の高まりからか減りつつある。
(というと、おおよそ絞れると思うが)
ふとネットでその女性アイドル名をググり、気がついたらYoutubeの公式・非公式問わずライブ動画を繰り返し見まくっていた。
すぐにアルバムを買って、何度も何度も聞いた。
やがて女性アイドルには「接触」イベントがあり、相手から「認知」されることもあると知った。
もちろんその前から、AKBの握手会なるものがあるのは知っていたけれど、それで「認知」なんて馬鹿じゃないのと思っていた。
私は10年ぐらいジャニヲタをやっている。
ジャニーズからしたら認知なんてものは基本的にありえない。(いや、追っかけとかオリキとかっていうのは置いといて)
ついでに言うと目が合ったっていうのもありえないと思っている。
けれどコンサートに行って自分の担当であるメンバーに手を振ってもらえたらとても嬉しい。
規定に反しない、Twitterで叩かれないようにと考え、それでもどうにか目立つように作ったうちわを振り、タイミング見計らって、名前をコールして手を振る。
そこで向こうが手を振ってくれる。
私にだけではなく、私の周辺のファンに向かって、あくまでもサービスの一環として。
ところが女性アイドルの現場では、この現象を「レス」と呼んでいた。
いやいやただのファンサービスだろ、と思っていた。その当時は。
もちろんCDやチケット代というお金が発生しているものに対するサービスのはずなのに、それを超えての「レス」と感じられる反応が返ってくるのだ。
驚くことにメンバーはTwitterでリプをくれるファンを認知していた。
初めて接触イベントに参加した時、当日の朝にメンバーに「こんな服装で行くよ!」とリプを送った。推しの色を身につけたのだ。
私としては、「あなたの事がこんなに好きです」という気持ちを表すための行動だった。
ジャニヲタの時には手作りうちわを作ったりメンバーカラーのものを身につけたりするのと一緒だった。
ところが、いざ接触の時、メンバーは「ツイッターでリプくれたね!」と言ってくれたのだ。
嬉しかった。
と同時に、「ファンである自分がアイドル本人に認識された」という、信じられない出来事に震えるしかなかった。
しかも結構しゃべれる。ドルヲタさんからしたら短いかもしれないけれど、ジャニヲタ接触イベントで流しそうめんかってぐらいに高速はがしされたことがあるので、あんなにちゃんとまともな会話ができるなんて信じられない。
その後も2回ほど接触イベントに行ったが、ツイッター認知というか、私のリプで覚えてくれたという感じだった。
だがもはや私は、それだけで満足する体ではなくなってしまった。
次の目標は、私が名乗らずとも推しの方から私の名前を呼んでもらって、認知されることだ。
「認知」された後、次は何を目指すのだろう。
「認知」されても、それは覚えてもらっただけだ。
ツイッターは他のファンの動向も丸わかりだから、私の推しにめちゃくちゃレスもらった会話のレポがいくつも読めたり、認知もらってる人たちがすぐ見える。
それに対して、どうして私はああなれないのだろう、と悲しくなる。
現場を増やして、接触に参加して、「認知」されても、次はこの嫉妬のループが続くんじゃないだろうか。
最初は、ただ好きなだけのはずだった。
私だけの「レス」が欲しいって思うようになったんだろう。
これが沼なのか。闇なのか。もう既に病みなのか。