2013-12-12

今もあるのかな。毎日小学生新聞っていう新聞

毎日新聞が出してる小学生向けの新聞。ちなみに毎日中学生新聞っていうのもあって、そこに掲載されたナンバーガールライブレポが『シブヤROCKトランスフォームド状態』のジャケットに流用されたりしていた。以上、余談。

小学生の時は昼休みのたびに図書室に駆け込むようなライフスタイルだったんだけど、そんなライフスタイルで6年もやってるともう読みたい本も無くなってきて、で、仕方無く毎日小学生新聞の日々の誌面を隅から隅まで読んでいたんだけど、その中にこんな記事。以下、要約。

私は子供のためのカウンセラーです。日々、日本各地の苦しんでいる子供達の家に通っています。昨日はある引きこもり男の子と話をしてきました。その子は言いました。「先生コピーってあるでしょ。コピーって、何度も何度も繰り返しているとだんだん文字がかすれて汚くなっちゃうでしょ。で、人間もさ、先生。生まれ変わるって言うじゃない。何度も生まれ変わって生まれ変わって、それで魂がかすれて汚れちゃうんだ。だから今の世界はこんな風に戦争とか貧困とか、みんなが憎しみあって、争いあって生きるようになっちゃったんじゃないかな。昔と比べて醜くなっちゃったんじゃないかな」。私はこの子の繊細な感受性に感動して涙が止まりませんでした。

的なことが書かれていて、それを読んだ俺はその場で毎日小学生新聞を破り捨てたい程の苛立ちを覚えたけれど、さすがにもう小学6年生だったから、そんな事はしない程度の常識は持ち合わせていたけれど、それでも20年近くを経た今になっても「何だったんだ、あの話は」と釈然としない気持ちを抱いている。まだ子供なのに、「現代人間は醜い」と絶望する感受性。その感受性をあたか美談のように語ること。強い違和感を抱いた。生まれて初めてかも知れない。あそこまではっきりと「大人も、物事を間違った捉え方をする事があるんだ」と意識したのは。


今の話をします。生まれ変わりを重ねるまでもなく、色々あって、結構な頃合でかすれて汚れた感が出てきた俺に子供が生まれたみたいで、まあ、何ていうか、善き事?幸せ?いや、どうなんだろう。歯切れが悪くなってしまうのは、俺が既に離婚しているからで、しかもおれ達の子供を産んだ元妻は既に別の男性結婚していて、それでいて、元妻も、元妻の現夫も、すべてを納得した上で出産したんですって。

こんな風に他人事みたく言ったら駄目か。こういう時って喜んだら良いのかな、怒ったら良いのかな、悲しんだら良いのかな。喜怒哀楽グシャグシャになる。このややこしい事態の背景には、元妻サイドにそれなりに事情があって、その事情(さすがにここでは書かないけど)を聞いた俺としては「頼むから産まないでくれ」とも言えず、かと言って「その子親権を譲ってくれ」と言って良いのかどうかもわからないし、こういうケースで親権が貰えるのかもわからないし、って言うか多分無理だし、そもそも俺自身その子の親になりたいのかもわからない。まったく関心が無いわけではない。でも、もう元妻周辺のややこしさにも関わりたくない。子供の顔が見たい気持ちはある。でも、この気持ちは「こういう時、親は子供の顔を一目見たいと思うものだ」という決まり事ありきで生じている偽物の気持ちじゃないかという感覚もある。あと、元妻には会いたくない。100%俺が悪くて離婚に至ったので合わせる顔がない。

悲しさ。率直に言って、俺は結婚生活おいて色々な事を間違えてきた。結婚する前から色々と間違えてきたし、離婚した後も、今も、多分、色々と間違え続けている。間違え続けて、かすれて、汚れて、その結果、血を分けた子供に会えていないし、今後も真正からは会えないだろう。この、どこにもやりようのない気持ちは悲しい。こんな文章を書く事も間違ってるんだろう。当事者が読んだら絶対おれが書いたってばれる。悲しい。恥ずかしい。子供に会いたいとまでは言わない。正直、会いたいという気持ちを実感を伴って抱くには至っていない。ただ、せめて、「人間は生まれ変わりを繰り返して魂がかすれて汚れた」なんて事を言い出してほしくないとは思う。

俺はかすれて汚れている。でも、それはおれ個人の罪に帰する汚れであり、俺の前世や、人類の罪に責任はない。だから、俺の子供はまだ汚れていない。すべての子供は汚れていない。生まれてきておめでとう。おめでとう。

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