「どうする原発・汚染水問題」なるtogetterまとめ(http://togetter.com/li/563302)を読んだ。
二点指摘したい。
朝日新聞の編集委員といえば、日本語のプロのはずだが、理系のおれでさえこの言葉づかいはおかしいと思う。
まあ、意味はわかる。しかし、「傾く」というのは漢詩の「一顧傾人城 再顧傾人国」で使われるように低下するというニュアンスを含む言葉である。こういう不適切な単語を選択してしまうセンスというのはどうなの。「再生可能エネルギーの開発に注力すべし」でいいだろこんなの。
そしてもう一つだが、このまとめは「どうする」と言っておいて現状を記述するだけで終わっている。どうするかは自分で考えてくださいね、とでも言うのか。むろんこれは朝日新聞のいつもの手口であるが、責任あるエネルギー政策などと書きながら自分は無責任極まりない。いかにも野次馬根性、騒げればいいという下劣な品性が丸見えである。
断っておくが品性下劣なのを非難しているのではない。おれだって品性下劣だから増田に書いているのだ。だが、己が品性下劣を恥じる気持ちはないのか(おれにはある。恥ずかしくて匿名のアカウントですら書けないから増田に書いているのだ)。
ようするに、@Nao_Maeda_Asahiは一体何をやりたいのか。実名肩書き丸出しでアカウント名にも_Asahiと入れるアピールっぷりでありながら、「投稿は個人の考え」と予防線を張った上で、内容は毒にも薬にもならない、知ってました、としかコメントしようのない情報の羅列。
投稿は個人の考えだというならもっと踏み込めよ。「再生可能エネルギーに国力を傾けるべし」って、小学校の学級会じゃあるまいし、今さらそんなスローガンを書いて何したいの。消費税増税して全部ぶち込め、とか毎年国債1兆円ずつ積み増して充当しろ、とかもうちょっと何か書くことあるだろ。まあ、サンシャイン計画の惨状を考えると注入した資金に対して充分なリターンが得られるとは考えにくい、というかこれ以上資金を増やしてもまったくのムダ使いだと思うが。
新聞記事が、ある程度どっちつかずの記述になってしまうのは仕方がない。だが新聞記者が個人の責任の上で書きたいことを書いたときに、その内容が「どうすればいいのかみんなで考えましょう」というのはお粗末すぎる。そんな情報、発信する意味あると思ってんのか。セルフまとめしてるんだからあると思ってるんだろうな。おれ今いいこと呟いちゃった!もったいないからまとめようそうしよう!みたいな考えなのか。
増田ではよく「意識が高い(笑)」みたいなことが言われるが、この朝日新聞の記者はいくらなんでも意識が低すぎることであるなあ、と思う秋の夜であった。詠嘆。