2013-07-31

30代魔法使い魔法を使ってしまたかもしれない件。



(こんな事を書いても世間では当たり前のようにクリアされているハードルだし、

殊更それを一大事のように書いても恥をかくだけなのだが)

端的に言っていわゆる魔法使いと呼ばれる30代男性自分)が、

生まれて初めて女性を食事に誘ってOKを貰ってしまった。

(その程度の事をタイトルのように魔法と呼んでしまうくらいだから童貞なわけだが。)


いつもは帰社時間が合わないのに、今日は向こうが早く帰ろうとしてたのでタイミングが合い、

ごく自然に(いやちょっと慌てて仕事終わらせた)一緒に会社を出た。

まりタイミングが一致したので、二人の仲を疑われても仕方がないかもしれない。

(疑われるようなことはまだしていないのに)


相手は一周り下の女子で、飲み会カラオケ選曲でオタとわかり、そんな会話をしたりしたのだが、

ある時冗談で?一緒に某魔法少女映画見に行きますかーとか言われて、

最近の子はオタでもこんなにオープンにフレンドリーに異性を煽ったりするのか・・・と衝撃を受け、

そこからスイッチが入った。

若い女子が屈託のない愛嬌を振りまく姿におっさんがコロっといっちゃうのわかるー)

とはその時の私の心の声である


魔法使いなんだから、覗きこんだ向こう側に魅入られて心に沈殿した昏きものをそれ相応に抱えているわけで、

恋になってからは己の宿痾としてそれらが襲い掛かり、自らに責め苦を与えてきた。

だけど二人で話をしていると、大事そうに抱えているそれらをきれいさっぱり忘れる時間があった。

(その時の自分というのがいかにも薄っぺらくて表面的でかるーいアホおっさんなのだ


この軽さは何なのか。今まで自分を蝕んできた重さとは何だったのか

脳が痛みを覚える程に己を攻め抜き、その末に我に生まれしこのアルターエゴ

魔法と呼ぶなら、このもう一人の軽薄な自分誕生ではないだろうか。

(言い換えるならあまりモテなさに頭がおかしくなった)


その恐るべき軽さが二人の別れ際に今度食事でもどう?と聞かせて(日程も場所も決めずに)

あ、い、いいですよ、と返事を受けた。

軽薄な童貞のくせにすっげえ生意気で申し訳ないがOKを貰える自信はあった。

ただ予想と違って嬉しいというよりもはるかにすっごい恥ずかしかった。

別れた後駅ビルトイレの個室に駆け込んで、両手でヒクヒクする顔をおおった。

表情筋の反乱を抑えきれずに赤面する自分脳内ハチクロみたいな甘酸っぱさで満ちていた。

現実トイレの個室で顔をヒクつかせるただのおっさんメガネである


ああ・・・どうしよう、世界はこんなにも美しいのにぼくはただの魔法使いおっさんだ。

キモい


こんな調子で二人で食事したら恥ずかしくてまともに会話できる気がしない、

(お前は中学生か)


だけど、2つの人格があってもどのみちひとつの顔しかないのだ。

(こんなポエムを書くよりも先に店を探さなくてはいけない)

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