彼女は一息付くまもなくOKと承諾した。
思い起こせば震災の半年前くらいに付き合い、毎日一緒にいることになった。
東日本大震災が起こって、そこからはアパートを1つ引き払い人生始めての同棲がスタート。
仕事が終わって家に帰れば、彼女がご飯を作っていてくれたり、一緒にテレビを見ながらのんびり過ごす毎日。
喧嘩も多かったけど、あちこち遊びに行ったり、プレゼントを渡しあったり。
彼女の誕生日には、海外旅行にも行ったし、ささやかだけどプレゼントを渡したり、記憶に残ることばかり。
ふてくされた顔も愛おしかった。
全力とは言えないが一生懸命、職を探しているようだった。
今現在仕事はまだ見つかってないし、アルバイトをする様子もない。
僕はそんな彼女をずっと支えていくつもりだった。
他人と遜色のない生活を、楽しい思い出を、何一つ不自由しないようにしてあげたかった。
そんな生活を続けていると、彼女の嫌な面も目につくようになって次第に僕は不機嫌になった。
平日でも昼過ぎまで起きて来なかったり、部屋の片付けがなかなか出来なかったり。
彼女は不機嫌そうにしたり、舌打ちしたり、どうも微妙な態度をとる。
ある昼、起きてきてリビングに座った彼女に大切な話があるといい、別れを告げた。
僕が出て行くか、彼女が出て行くか選択させることになったが、無職だからどちらもできないと言われた。
もちろん、どちらも選択することが出来ないのは僕も知っている。
だからこそ、アルバイトをしながら就職活動をしてほしいと思ってる。
その後は何を話しても無視され、結局その日は会話することができなかった。
いつの間にか僕達の関係は冷えきったものになっていたみたいだった。
その日僕は家に居られず家を飛び出し、一日漫画喫茶で過ごした。
それでも気分が紛れることはなく、一睡もできず朝を迎える。
朝、ふらふらと帰宅すると彼女がリビングに布団を移して寝ていた。
そんな彼女の顔を見るとどこか安心して、僕はベットで昼過ぎまで眠った。
その日もほとんど話をすることができなかったし、黙れと言われた。
きっと気の利いた大人なら、こんな関係の修復方法を知っているんだと思う。
元々別れは僕が切り出したものだけど、それは彼女の甘えきった関係を断ち切るのが理由の1つ。
別れ、同棲を解消すればアルバイトを見つけ、きっと1年前の文句を言いながらも一生懸命働く彼女に戻る気がした。
その時僕がそばに居なくても、それが彼女の為になると思った。
仕事が見つかるまで面倒を見れば、楽しかったあの頃が取り戻せたのだろうか。
僕が我慢していれば全て上手くいったんだろうか。
必要だったのは、僕と一緒に住んでいるこの家だったのかもしれない。
屋根があって、電気と水とガスがあれば僕は居なくても良かったのかもしれない。
このまま話し合う機会もないまま全てが終わる。
今日僕は新しい家を借りるつもりだ。
たくさんの思い出を引きずりながら、今の家から距離を置く。
新しい仕事に、新しい家、新しい生活、そして新しい恋人を見つけるだろう。
彼女からしたら、再就職がうまく行っていない時点で 専業主婦にジョブチェンジしたかったんだろう その願いの是非は議論の余地があるが それを叶えてくれない増田に対して失望し、...
彼女のためと言いながら、自分のエゴばっかで彼女不在だね。