2012-01-09

成人の日に - ソヴィエト連邦を知っているか

成人の日に - ソヴィエト連邦を知っているか

ああ、オヤジの「居酒屋若者論」か、などと言わずに、聞いてほしい。

キミが生まれた20年前、偉大なる社会主義国家、ソヴィエト連邦が消えた。ベルリンの壁崩壊から2年後のクリスマスに、かって革命を夢見た全共闘世代は涙したものだ。

新聞には「資本主義が勝利したのではない。アメリカの一極支配は必ずや滅ぶ」と投書が載った。

人民革命へと駆り立てたのは、資産家や資本主義社会への反発、不信、抵抗。ゆるやかな社会改良による解決がないわけじゃないのに、プロレタリア独裁を宣言し、ぶつかり、傷つく。

その心象が、若者共感を呼んだ。ロシア民謡小学校教科書にも採用されたほどだ。

ところが最近は、うんざり顔をされることが多いらしい。

全共闘運動に詳しい社会学者小熊英二さんは毎年、大学の授業で『共産党宣言』を読ませ、感想を問うてきた。ここ数年「暴力的なだけじゃないか」「私有財産何が悪いのかわからない」と、批判的な意見が増えているという。

教室に居並ぶのは、親や世の中に従順若者たち。キミと同い年なら、石川遼くん?

でも、就活の道は険しいし、滑り落ちたら、はい上がるのは難しい。時代は、国家ノルマを課したころよりずっとずっと生きづらい。

だけどキミたちは「自分スキルが欠けるから」と、どこまでも謙虚だ。格差貧困も「自己責任さ」と、受け入れてしまっているようにみえる。

ソヴィエトはどこへ行ったのか。

全共闘世代の仙谷由人さんには「かつて若者暴力装置であった」と言われそうだ。

大学解体」と「自己否定」のスローガン機動隊と攻防戦を繰り広げたのは過去大学全入時代自己実現勘違いする若者に、暴力社会を変革するエネルギーはない、と仙石さんは語る。

革命を夢見るよりも、自己責任を受け入れて、親しい仲間と「いま、ここ」の身近な幸せをかみしめる。そんな価値観が広まっているという。

なるほどね。いくら「若者もっと立ち上がれ」と言っても、こんな社会にした大人の責任はどうよ、と問い返されると、オヤジとしても、なあ……。

でも、言わせてもらう。

私たちは最近社説でも、世界政治若者が動かし始めたと説き、若者当事者意識を持てと促した。それだけ社会が危うくなっていると思うからだ。

から、くどいけれど、きょうも言う。成人の日ってのは、そんなもんだ。

ともあれ、おめでとう。

  • http://anond.hatelabo.jp/20120109190033 あなたにはぜひ輪るピングドラムというアニメ(小説もあるので小説でも可)を見てもらいたい。 正確ではないけれど大雑把には革命と身内が幸せならそれ...

  • 朝日の社説より面白かったです(笑) 20歳前後でしっかりした人、立派な人は沢山いる。 TVでも新聞でもいくらでも報道している。 なのにあの社説はなんだろう、尾崎豊ファンって...

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