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2013-04-19

電王戦最終局は明日

ということで、これまでの4局を振り返ってみた。

第1局 3月23日(土) 阿部光瑠 四段VS習甦

阿部光瑠(こーる)は訛りがかわいらしい18歳。プロ棋士チームでは三浦、船江に次ぐ三番手の実力の持ち主で、船江に次いで勝つ可能性が高いと目されていたが(三浦は相手が強いので……)、それでも率直に言って彼が勝つと本気で予想していた将棋ファンは多くはないだろう。

まりプロ棋士チームは5連敗か、よくて1勝4敗だろうと思われていた。そのくらいの圧倒的な実力を、コンピュータインターネット上の対局サイト将棋倶楽部24などにおいて見せつけていたのだ。

そんな下馬評を、こーるはこれ以上ないくらい鮮やかに覆した。習甦の桂跳ねからの無理攻めを誘い、圧勝

局後のインタビューによれば、こーるは提供された習甦での事前の練習将棋をかなり入念に行っており、今回の将棋も練習で発見したコンピュータの穴のようなものを突いた、という側面もあったようだ。そのため、純粋な実力でなくバグを利用しただけ、という評価もないわけではない。

しかしともあれ、(少なくとも団体戦としては)勝敗は見えていると考えていた将棋ファンの横っ面を思いっきりひっぱたくような衝撃的な圧勝であり、これによって一気に電王戦が盛り上がったことは間違いがないだろう。

第2局 3月30日(土) 佐藤慎一 四段VSPonanza

第1局の圧勝で、軽薄なる我々将棋ファンはあっさり手のひらを返し、意外とコンピュータはたいしたことないのではないか、という空気も生まれつつあった。

電王戦開幕前にはほとんど勝ち目がないだろうと考えられていた佐藤慎一(サトシン)だが、対局当日には案外あっさりサトシンが勝つのではないか、という声もそれなりにあったように記憶している。ここで実際サトシンがあっさり勝ってしまえば、それはそれで電王戦は盛り上がりに欠けるものとなっていただろう。

しかponanzaは、忘れっぽい将棋ファンにコンピュータの強さをしっかりと再認識させてくれた。少々拙い序盤ながら決して形勢に大きな差をつけられることなく追走してゆき、圧倒的な終盤力できっちり差し勝つ。ponanza将棋は、我々が見てきた「強いコンピュータ」の将棋のものであった。

この対局で、現役プロ棋士コンピュータに初の黒星を喫することとなった。歴史的な一敗。そして序盤の拙さも含めあらゆる意味コンピュータらしいponanza将棋は、この一敗をもたらすに相応しいものであった。

第3局 4月6日(土) 船江恒平 五段VSツツカナ

1勝1敗で迎えた第3局。既に述べたとおり船江恒平は三浦に次ぐ実力者で、人間コンピュータ双方ともに力を尽くした戦いとなることが期待されていたが、はたして本局はそうした期待にたがわぬ名局となった。

上位棋士の実力を発揮して優位を築く船江。傍目にはかなりの大差と見えたのだが、68手目△2二金打がコンピュータ面目躍如たる一手だった。

受け100パーセント

将棋では、こうした反撃の味を含まない手を指すようでは基本形勢が悪いとしたものであり、実際厳密には船江の方が良いのかもしれない。だが(プロ棋士も含む)観戦者の多くが楽観していたほどの大差でなかったことは明らかであり、人間盲点を突く74手目△5五香以下ツツカナが逆転した点をとってみても、コンピュータの読みの確かさが改めて裏づけられた形である

さらにこの後、いわゆる水平線効果コンピュータは特定の手数で読みを打ち切るため、打ち切り後に好手がある場合にそれを考慮に入れられず悪手を指してしまう現象)でツツカナは敗勢に陥るものの、粘り強い指し手を続けて再逆転を果たす。

コンピュータのこれでもかという程の中終盤の強さと、それに追随できるだけの船江の高い実力があってはじめて実現した、まさに名局であった。

第4局 4月13日(土) 塚田泰明 九段VSPuella α

第2局・第3局とコンピュータが連勝したことで、将棋ファンの空気は再び「コンピュータ強し」へと変わっていった(まったく調子のいいものである)。そしてその強いコンピュータに対し塚田では勝てないだろう、との見方大勢を占めていた。

対局はそんな大方の予想どおりに推移した。Puella αが攻めをうまくつなげ、塚田は74手目△1五と以下入玉をめざすもののその代償として飛車角を失う。相入玉となった場合(Puella αが入玉できることは確実な情勢であった)大駒(飛車角)各5点、小駒(それ以外)各1点として24点に達しないと負けとなるが、10点分の大駒を失った塚田が24点に達することは絶望的であり、つまり将棋としてはこのあたりで終わったと言ってよい。

ところが塚田はその「終わった」ところから約150手も指し続け、なんと最終的には引き分けに持ち込んでしまうのである。これは入玉将棋に十分対応できないコンピュータの自滅によるものであり、この約150手はバグ探しのような将棋とは別のゲームであったと評さざるを得ないだろう。

将棋としては大変微妙な部分もあったのだが、なんとしても大将につなげたいという塚田の執念が胸を打ち、特に将棋になじみのない一般人を中心に大きな話題となった一戦であった。



こうして見ると、どの対局も盤上にせよ盤外にせよ何らかの見所があってなかなか面白かったな。

で、数々のドラマを生み出してきた電王戦も、いよいよ最終第5局。

第5局 4月20日(土) 三浦弘行 八段VSGPS将棋

A級棋士三浦弘行が勝って人間の意地を見せるのか、GPS将棋が勝って新時代の到来を宣言するのか。

注目の一戦は明日午前9時30分スタート

 
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