最近では国政選挙があると各社が作るボートマッチサイト。自分の考えに近いものを選んでいくと「あなたの考えに近い政党(候補者)はこれです!」と示してくれるわけだが、じゃああえて全選択肢「どちらともいえない」を選んでみたらどうなるのか?
このうち毎日とNHKのものはそもそも「どちらともいえない」の選択肢が存在せず、代わりに「無回答」の選択肢があり、全選択肢「無回答」を選ぶと全ての政党(候補者)とのマッチ度が0%になるという仕様だった。
そのため実質的には朝日と読売の2社のものが今回の対象となる。
●朝日ボートマッチ 全選択肢「どちらとも言えない」 一致度(%)
N党 77
公明 76
自民 75
維新 74
国民 74
立憲 73
社民 58
共産 57
れいわ 57
全体的に一致度高いな! びっくりしたわ!!
社民共産れいわといった左派政党との一致度はやや低めに出たもののそれでも60%弱。他の5党はなんと75%前後の高いスコアとなった。
ここで疑問。全選択肢「どちらとも言えない」で高い一致率が出るということは、曖昧な答えの方が高いスコアが出るのだろうか?
仮にそうだとすると、全選択肢「賛成」よりも全選択肢「どちらかといえば賛成」のほうが全体的な一致度が高くなるはずだが……。
●朝日ボートマッチ 全選択肢「賛成」「Aに近い」 一致度(%)
N党 60
国民 60
維新 58
自民 57
公明 56
立憲 46
れいわ 37
共産 32
●朝日ボートマッチ 全選択肢「どちらかと言えば賛成」「どちらかと言えばAに近い」 一致度(%)
N党 79
国民 78
維新 76
自民 75
公明 75
立憲 65
れいわ 52
共産 49
社民 46
結果は予想通り全体的に「どちらかと言えば」のほうが高いスコアが出た。というか全政党においてスコアが上昇した。
選択肢全体では賛成したほうが保守的な考えと認定されそうなものが多かったため左派政党のスコアが低く出ること、及び「どちらかと言えば」を付けてトーンダウンさせたほうが左派政党との一致率が上昇することは当然のこととして理解できるが、右派政党においてもはっきり「賛成」とするよりもトーンダウンさせたほうが一致率が上がるというのは意外な気もする。
また、全選択肢「どちらかと言えば賛成」と「どちらとも言えない」で自民党との一致率が同じであること、公明党に至っては「どちらとも言えない」のほうが一致率が高いことは興味深い結果。
●朝日ボートマッチ 全選択肢「反対」「Bに近い」 一致度(%)
社民 42
立憲 40
共産 36
公明 35
N党 33
維新 32
れいわ 32
●朝日ボートマッチ 全選択肢「どちらかと言えば反対」「どちらかと言えばBに近い」 一致度(%)
立憲 61
公明 58
N党 57
自民 56
社民 56
維新 55
国民 55
共産 51
れいわ 49
逆に全選択肢「反対」と全選択肢「どちらかと言えば反対」を選んだ結果。
まず全選択肢「反対」のときの全体的なスコアの低さがかなり意外な結果となった。全選択肢「賛成」で低いスコアが出た社民や共産は全選択肢「反対」なら高いスコアが出るものとばかり思っていたら、各政党の中ではトップのほうではあるものの数字としては40%前後にとどまった。
また、こちらでも選択肢を曖昧に寄せたほうが全体的に一致率が高く出るという傾向が確認できた。
読売のほうに関しては数字だけ。朝日ほど答えを曖昧にしたほうが一致率が上がる傾向は高くないように見受けられる。
●読売ボートマッチ 全選択肢「どちらとも言えない」 一致度(%)
公明 67
国民 63
立憲 62
自民 60
社民 58
れいわ 58
N党 57
共産 55
維新 55
注意点として、消費税に関する質問だけ「どちらとも言えない」の選択肢が存在しなかったため現状維持の選択肢を選んでいる。
●読売ボートマッチ 全選択肢「賛成」「Aに近い」 一致度(%)
維新 74
国民 66
N党 65
公明 63
自民 60
立憲 55
共産 50
社民 50
れいわ 48
●読売ボートマッチ 全選択肢「どちらかと言えば賛成」「どちらかと言えばAに近い」 一致度(%)
国民 71
公明 68
維新 68
N党 66
自民 60
立憲 60
社民 56
共産 54
れいわ 53
●読売ボートマッチ 全選択肢「反対」「Bに近い」 一致度(%)
れいわ 53
共産 50
社民 50
立憲 45
自民 40
公明 38
N党 35
国民 34
維新 26
●読売ボートマッチ 全選択肢「どちらかと言えば反対」「どちらかと言えばBに近い」 一致度(%)
立憲 58
共産 56
社民 56
れいわ 56
公明 53
国民 50
自民 50
N党 49
維新 42
さて、まとめ。
今回こうやって調べてみて、正直なところ自分の中でのボートマッチに対する信頼は下がった。
おそらく「どちらかと言えば賛成」を選んだ場合、「どちらかと言えば賛成」の立場の政党との一致度は100%、「賛成」「どちらとも言えない」の立場の政党との一致度は75%、というふうに計算されているものと思われるが、ちょっとこれは不自然な計算なんじゃないだろうか。「どちらかと言えば賛成」なのであれば「どちらとも言えない」よりは「賛成」に近い考えを持つものと判定した方が正しいように思える。
また、これによって立場を濁す政党ほど一致度が高く出やすい傾向が生まれてしまっているのではという疑念を抱いた。
朝日のボートマッチで質問別の一致度を見れるのだが、その中の「男性同士、女性同士の結婚を法律で認めるべきだ」の各党の立場を見てみると自民党の立場は「どちらとも言えない」よりほんの若干だけ反対寄りというもので、よって選択肢「どちらかと言えば賛成」を選ぶと自民党との一致度は69%となる。はっきり「賛成」の立場である政党(共産、れいわ)との一致度は75%で、6%しか差がつかない。
夫婦別姓を法律で認めるべきかについても「どちらかと言えば賛成」を選ぶと自民党との一致度は73%となり、はっきりと賛成している政党と2%しか差がない。
中立中庸であればどことも喧嘩しない ってだけで当たり前の結果でしょう 「ノンポリはどこに投票したって好きにしろ」ということ ボートマッチは自分の意思があるやつがどの候補者...
ボートマッチって便利だし楽しいけど やっぱり製作者の意図がどうしても介入するよな。 そういうリスクに気づいてない人も大勢いるように見える。 「お手軽」を望むと他人の道具...
この場合はどのような意図ですか?
なんかボートレースギャンブルの話かと思ったわ つまり、この結果が示すのは「万人向けの政策を掲げている党はどこか」ということになるんだな 偏りとか関係なく何も考えてない人で...
ヴォウトマッチと正しく表記してもらわないと