2022-05-20

死んだ飼い犬が闘病中だとうそをつき、治療費名目支援金をだまし取ろうとしたとして2022年4月奈良地裁葛城支部で26歳の女が有罪判決を受けた。女はインターネット資金を募る「クラウドファンディング」を悪用診断書などを偽造し、心配する愛犬家ら370人以上からお金を集めた。善意を踏みにじる行為の背景には、急成長するCF側のチェック体制限界も見え隠れする。

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女が死んだ飼い犬を闘病中と偽り、治療費を集めていたCFのページ

プロジェクト開始前に死んでいた

 「時間がありません。たすけてください!」。21年10月奈良県大和高田市に住んでいた女は、重篤心臓病などを患うフラットコーテッドレトリバーの愛犬「斗偉(トイ)」の写真とともに支援を募るプロジェクトCFサイトスタートした。

 女が利用したのは購入型CFと呼ばれる種類でCFサイトを通じて支援から資金を募り、お礼に商品サービスを返す仕組みだ。

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 血液検査の結果や、診療費の明細書、エックス線写真……。女はCFサイトに“証拠”となる書類画像を多数アップし、トイの闘病記録を克明につづった。

 トイが治療のために動物病院に通っていたのは事実だ。

 だが、プロジェクトを始める2カ月以上前にすでに死んでいた。にもかかわらず、女は診断書の日付を改ざんするなど小細工し、「病と闘う愛犬とその飼い主」を演出。手術代や検査費用に充てるとして最終的に計180万円の治療費支援を呼びかけた。

 反響は大きかった。「わが家も愛犬がいます応援します」――。ペット愛好家らの応援コメントは400を超え、同12月には374人の支援から計約184万円が集まった。

 うそが発覚したのは、トイが死んだことを知る関係者から通報だ。女は支援金を手にすることなく22年1月詐欺未遂容疑で奈良県警に逮捕され、同罪で起訴奈良地裁葛城支部4月、「金目当てに支援者の犬を思う心情を逆手に取った悪質な犯行」として懲役1年6月執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2205/19/news086.html

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