■[映画][アニメ映画] ブルーサーマル

• 原作未読なので相違点はわからない。
• 主人公の女の子の声優が上手かった。自分的には、これがこの映画最大の長所だった。今作が声優初挑戦とのことだが、全然遜色ない。標準語に加え、出身地でもない長崎弁も話さなきゃいけないという難しい役だが違和感はなかった(長崎弁ネイティブの人が聴くと別の感想になるのかもしれないが)。よく「専業声優じゃない俳優を起用すること」についての是非が取り沙汰されるが、近年はいわゆる「棒読み」みたいな酷いケースはそうそう無いよ！(全く無いとは言わないが…)
• 大学に入った主人公がテニスサークルの体験入部中に打ったボールが航空部員に当たり、よろけた部員がグライダーにぶつかって翼を壊してしまう。「主人公のせいなので責任を取れ」と迫られ、なぜか入部することに…。
• 「いや、事故だし、ボールをぶつけて直接壊したわけじゃないし、主人公だけが悪くなくない…？ …まあ導入部としてはよくある展開だし…」と若干モヤモヤしつつ観ていたら、全編に渡ってこういう「主人公が理不尽な目に遭う」展開が続いて、観ていて非常につらかった…。
• 入部したら先輩に強く当たられ、他校との合同練習では両親の離婚で長年会ってなかった姉と偶然再会してやっぱり強く当たられ、その他校の別の部員にも因縁をつけられ、よく面倒を見てくれてた先輩はなにも告げずに退部、失踪し……。
• しかも、それらの各展開が「いつの間にか、なんだかなし崩し的に解決」してしまう。主人公は明るい性格なのでメゲないんだけど、観客としてはずーっとモヤモヤしてた…。「あれ、キツかった先輩がいつのまにか優しくなってるけど、なんかきっかけあったっけ…？」みたいな。最後の最後、クライマックスでも「謎の行動をとった登場人物が、なぜそんな行動をしたのか」が明かされないまま終わってしまった……うーん……。
• あと、主人公は最初に複座機に乗ったときから常人とは違う身体感覚を発揮し、それ以降最後まで、競技において挫折したり、それを乗り越えて成長したり…という展開が無い。ので、いわゆる「スポーツもの」としてのカタルシスも薄い。
  もちろん身体感覚だけでいきなり乗りこなせるほどグライダーは甘くはない…のだろうが、少なくとも劇中ではそれが殊更強調されることはない。
• なので、見たあとの印象は「たまたま乗ったグライダーに並外れた適性があった主人公が、理不尽な人間関係に悩みながらもいつの間にかなんとかなってしまう映画」だった。予告だと「青空が印象的な、爽やかな青春もの」みたいな感じだったんだが…

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