最近、夜遅くにやってくるカップルの女の方の行儀が物凄く悪い例をよく見る。たとえば、ゴミ箱のサイドに設置してある棚(ドリンクの飲み残しを捨てる為のタンクが収納されている)の上に足を乗せて靴紐を結び直すとか、店員が品出しをしているまさにその目の前で一番奥の品物を取っていく。しかも謎にイキった言葉を吐きつつ。そんなカップルが一組ではなく何組も。彼氏の前で強い俺様アピールしてイキリ散らかすムーブが女子の間で流行っているのだろうか。
遅くに、職人風の男性客が来店。すごくしょんぼりした顔で、数時間前に当店に来店したのだが、酔っ払っていたせいでスマホを当店のゴミ箱にゴミと一緒に捨ててしまったかもしれない、という。何か可哀想なので、ゴミ箱漁りに付き合って上げたが、結局見つからず、しょんぼりの深まった顔でコーヒーを買って帰って行かれた。
ということがあったと、事務所で休憩中のAさんに話したら、Aさんは深刻な顔で「その職人風の客は、夕方五時半ごろに来た客だと思うんですけど(省略)」とちょっと長くその時の様子を語って、最後に「という訳なのですが、あんなイキリ散らかしてた癖にスマホ無くして助けを求めにくるとか、すごくダサいですね」と締めくくった。長い話の結論が「すごくダサい」とは!
しばらくして、ふとスマホを無くした職人風のお客様には、ゴミ箱漁りに付き合う前に当店の電話の子機を貸してさしあげて、お客様ご自身でスマホに電話をかけていただけばよかったんだなと気づいた。どうせ、ああいう場合は大抵スマホを外に落としてはおらず、身近なところにあるものだし。もし本当にゴミ箱に捨てたのなら、ゴミ箱の中からスマホの着信音が聞こえるはずだ。名案というより当たり前のことだが、そんなことに限っていつも、五分後くらいに思い付く。
以前、私ではないコンビニバイト増田が、お客様達の財布を観察していると増田に書いて、ブコメとかでフルボッコにされているのを見た。それを見て以来、お客様の財布を観察するのは良くないこと……と思いつつ、逆についついお客様の財布に目が行ってしまう私だった。
最近、30年使い続けた私の財布がいい加減寿命っぽいので、新しい財布が欲しいのだが、世の中の人達はどんなお財布を使っているのだろうか……あわよくば丈夫そうなお財布がどんなものか知れたらいいな……と思ってお客様の財布を観察している。
私がコンビニバイトを始めた時には既に女性客は長財布を使っている人が多かったのだけれども、最近は年配の男性客でも長財布派が増えている。やっぱり、世の中の小売店が自動レジを続々と導入しているからだろうか。自動レジはヨレヨレのお札を受け入れてくれないことがしばしばある。だからお札をピンとさせておくために、嵩張るけれど長財布。
だよなーと思うけど、長財布はファスナーからダメになりそうに見える。安い財布だとやっぱりファスナーがYKKじゃなかったりするのだろうか。あ、ブランドもののお財布はやっぱり、ファスナーが頑丈そうに見えるな。数年前はしま○らで買ったと思われるスタッズのびっしり着いた黒い財布を使っている人が男女とも多くいたのだが、最近はとんと見かけない。安物だからやはりファスナーからダメになったのか、それとも世の中の人は私が思うよりも頻繁に財布を買い替えるものなのか、謎だ。
お年寄りのお客様に、時々ショッピングモールとか百貨店の一角とかで安売りしている金運が上がる財布を使い込んでいるお客様がいた。あのお財布、たまに見かける時に、安すぎてどうなのかなと思って、一度は手に取って見てみるもののやっぱまた後にしようと思って元の場所に戻したものだけど、もしかして、希望を持っていいのだろうか。もしも30年使い込めたら、私もその時はお客様と同じくらいのお年寄りになっているんだなとか、想像してしんみりとしてしまったが、しんみりしただけで、まだ新しい財布を買うめどはたたない。