半年ほど前、私は匿名掲示板にとあるオリンピック選手の悪口を書き込んだ。周りがものすごい勢いでたたいていたので、私も一緒になって書いてしまったのだ。
ほどなくして、アスリートへの誹謗中傷がテレビで取り上げられるようになった。自分の書き込みを見返してみると、結構キツイことを書いていたことに気が付いた。「被害届が出れば警察が対応」というニュースまで流れてきて、これはマズいことをしたなと震え上がった。
Twitterであれば、アカウントごと消してしまえば逃亡できるだろうが、匿名掲示板の書き込みを自分で消すのは極めて困難だ。どうすればよいか分からなくなり、とりあえず「掲示板 自分の書き込み 削除」とググってみた。すると、「インターネットに強い弁護士があなたのお悩みを解決!」などとうたう法律事務所のサイトがヒットした。どうも、弁護士なら掲示板の自分の書き込みも消せるらしい。私は藁にも縋る思いで電話をかけた。
自分の書き込みのURLをメールで送るように指示されたのでその通りにすると、「これとこれとこれはアウトでしょうね。民事訴訟のリスクがあります。お力になれますよ」と言われたが、削除には1投稿当たり12万円ほどかかるとのことだった。ものすごい金額だが、裁判に巻き込まれたり、家族や職場に迷惑をかけるよりはマシだと思い、50万円弱振り込んだ。投稿は1週間ほどで消えた。これで一件落着だとホッとすることができた。
同時に、私はこの法律事務所の対応に不信感を抱いた。50万円も払ったのに、電話対応するのは弁護士本人ではなく事務員なのだ。さらには、自分の投稿がなぜ法律違反なのか、弁護士本人からの説明すらない始末だった。自分の書き込みは本当にマズかったのか?時間が経つにつれて疑問が膨らんでいった。
書き込みが消えてから数か月、いてもたってもいられなくなり、他の弁護士にセカンドオピニオンを求めることにした。5chで評判のいい有名なインターネット専門の弁護士二人に連絡をとってみると、一人からは「違法性を問える可能性は低いが、世間の流れから考えると相手が強行してくる可能性はないとは言えない。そもそも開示拒否されるだろうが、万が一裁判になってもまず負けないだろう」、もう一人は「なんの違法性もない。開示請求のとっかかりがない」との趣旨の回答が返ってきた。
投稿を消したほうがいいなと考えて、そして実際に投稿は消えたんだろ じゃあまあいいじゃないか そこを値切っても致し方あるまい
書き込み消したいという依頼に「いやコレ大したことないっすよ」と答えたりはしないよな 本人が消したいって考えてるなら内心のあれもあれこれなので消す方向に倒すわ 実際に消えた...