2021-03-09

旧世紀版と新劇場版で一貫していたもの

アニメ(虚構)の世界に埋没するな、現実世界を生きろ』なのではないかと思った。

自分90年代初頭の生まれで、旧世紀版をリアルタイムで観ていないので綾波アスカ(や、ミサトさん)に対するリアルタイム熱量を知らない。

その上で、新劇場版で新しく追加された真希マリは、一体どんな意味合いを持つキャラクターなのかがイマイチ掴めずにいた。

いくら眼鏡っ子お茶目ナイスバディーでCV坂本真綾と言えど、ジャパニーズアニメの偉大なヒロインである、『綾波レイ』と『式波(惣流)・アスカラングレー』に今更割って入る意味とは?

そう、綾波アスカは『アニメの偉大なヒロイン』でありそのアイコニックな在り方は虚構のものだったのだ。

言うまでもなく綾波は旧世紀版から一貫してメタ的に造られた存在であり、無感情の中にあるシンジへのおぼろげな好意もそうであるようにデザインされている。

また、旧世紀版では『現実』の象徴として描かれたアスカもまた初出から20年が経過した現在では『ツンデレ』というステロタイプ虚構である虚構への違和感は『認められたい求められたい相手心配だ』という未熟な自我(エゴ)の反面で暴力を伴うシンジへの対応や、14歳で肉体の成長が止まることに対するメタ認知に現れる。

一方、マリはどこまでいっても自然である

アスカより先に起こっていたであろう成長(老化)の停止を自分事として受け入れ、悩みはあれど明日を生き抜くために戦い、他のエヴァ(生物)を喰らい、得た能力感謝する(ごちそうさまをする)、自我(エゴ)が確立しており誰に対してもマイペースニュートラルスタンスで接することができる。

マリもまた、現実世界から投影された虚構の一つでしかないが、旧世紀版の頃にはまだ若く「オレの言いたいことを察しろ」だった庵野監督も、時を経てオブラートに包む面倒をやめて、より直接的にメッセージを伝えようとしたのが真希マリというキャラクターなのではないだろうか。

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        • マリは安野モヨコである以上の描写が無い = 作中も嫁以外のロールは無いよ   作中に庵野嫁以外のロールがあると思っているのならマリが何者なのか答えられる? たとえば、 なぜ...

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