元は2次創作で壁やってて、即売会場で出版社にスカウトされて商業の世界に入りました。
それまでの私は2次創作界隈では「綾城さん」扱いを受けていて、大勢の人に褒めてもらえて、自分は漫画を描くのが上手いんだなと思ってた。
でもいざ商業をやってみて、原作のパワー無しの、本来の自分の漫画力だけで創作を行うということがどれ程大変なことか、私はあんまり分かっていなかったんだと思う。
2次創作では、元々知名度のある漫画の、魅力的な世界観やキャラクターを使用して漫画を描くから、その上にのっかってちょっと絵が上手かったり基本的な話の起承転結が出来てるだけで、みんな私の事を神と崇めてくれていた。
みんなも大好きで神と崇めていた同人作家が商業デビューした途端、その人の漫画がどうでも良くなった事ってない?
あれ?この人の描く漫画ってこんなつまんなかったっけ?て目が醒めたことない?
あれが私は自分にきた感じ。
商業は普通に話が纏まってて普通に面白いだけじゃ駄目で、作品自体が輝くような、その上の能力が必要とされる。
でもさ、同人誌は千冊売れたら凄い!て言われるけど、商業誌は1万部しか売れなかったら打ち切りになっちゃうんだ。
凄いよね。私の漫画にお金を出そうって思ってくれる人が1万人いても駄目なんだよ。
ちやほやされて数万単位以上の人にお金を落とし続けて貰うことが、商業で生きる「最低条件」なんだよ。
凄くない?
同人界でちょっとちやほやされてる描き手がTwitterで得意げに自分の2次創作の漫画を解説してるところを見ると、『この人も所詮私と同格かそれ以下なのにな』て思ってしまう。
もちろん同人界の中にいても、この人なら商業でも売れそうって思うような明らかに飛び抜けて力のある人に対してはそう思わない。(でもそういう人って中々居ない)
私は商業の世界を見て、そこで自分の力の無さを思い知って挫折しまったけど、貴女達は同人界の井の中の蛙で気持ち良いままでいられて羨ましいねって思ってしまう。
だから今話題の秀才字書きと天才字書きの漫画を見ても、勿論漫画自体は凄く面白いんだけど、私にとっては綾城さんも「所詮」同人界隈のなかでの天才じゃんって思っちゃうんだよね。
性格悪くてごめん。