田舎育ちと都会育ち云々の記事を見て、田舎の良さを再発見した…なんてことはなく。
田舎には実家と地元友人がいるから恋しいだけであって、車がなければ生活できず、地元ネットワークには常に見張られている。
見張られているのは被害妄想かもしれないが、姉の友人の母親とやらに声をかけられる、祖母の兄弟の友人に声をかけられるというのが常につきまとっているあたり、間違いではないのかもしれない。
私は社交的ではない。
人間関係は億劫で、友人でもない同学年の誰がどこでどう生きていようが全く興味がない。
働いている最中に下の名前を呼ばれ、振り返ると見たこともない人だったりするのは多々あった。
知らない人間に自分を知られている恐怖は本当に耐え難かった。しかも名前、家族構成、家の場所を公共の場所で世間話の流れで大声で話される。
有名ではないクソ田舎の良いところなんて精々食べ物や水が美味いだけ。それだけ。
田舎は世話を焼いてくれるあったかい人ばかりでとかよく見るが、それは違う。そいつらは世話を焼きながら何を世間話のネタにしようか考えてるだけだからな。
あらこの人、持ってる腕時計がお高そう。東京から来たって言ってたわね、奥さんも小綺麗にしてるしさぞお金持ちなのね、あらあら息子さんには家庭教師をつけてるのね、あらあら…
それが嫌で東京に出てきたが。
東京は良い…とても良い…まず人間関係が薄い。隣に誰が住んでいるか知らない、挨拶をしなくていい、無駄に近況を知らされることもない。
私がどこで何をしていようがそれに何かを言ってくる人間がいない。間違っても「昨日〇〇で見かけたけど何買ってたの」なんてクソみたいな会話をされない。
水はまぁ美味くはないが、別段飲めないわけでもない。
人が多いのがたまに嫌になるが、だがこの人たちだってもう二度と会わないし会ったとしてお互いに顔を覚えていないから何も気負わなくていい。
間違っても自分を知ってる、自分は初対面の人間に声をかけられるなんてことは起こらない。
交通量が多く外がうるさいのも慣れたらなんてことはない。
東京最高。
最初からこれほど整っている東京に生まれただけで、それだけで勝ち組だ。なんていいところなんだ。越してきてよかった、本当に良かった。
何故か、田舎万歳定年後は田舎にうつり住もう、なんて思想の人をよく見かけるが、定年後こそ都会の方がいいと思う。
都会の生活レベルに慣れている状態で田舎で生活するなんてことはまず不可能なレベルで不便だから。
地方都市くらいならまだ大丈夫だと思うが、地方都市以外はやめておいた方がいい。
あったかい人間なんて田舎にはいない。お互いに見張ってるだけだ。
そしてやることがないから見張った結果を四方八方に撒き散らす。
田舎に伸びしろなんてものはなく、少子高齢化の最先端だから、あるのは緩やかな破滅だけだ。
未来はない。