IT企業に勤めていてよくありがちな話なんだが、仕様変更を直前で言い始める
そのくらいの修正でこんな金かからないでしょ、と言われ、説明しても客のメンバーはエクセルの数式も分からないレベルなので、理解して貰えない
なんてことが続き、担当者がもう根をあげてしまう糞みたいな客があった
二言目には高い高いと言い出す
正直こっちとしては契約終わらせたかったが、基幹系システムのお守等で固定的金額が毎年入ってくるので、上はいい顔をしなかった
相手はそれも分かっていて「保守費用内でなんとかしてよ」とすぐ言ってくる
どう考えてもこれは追加作業だろ、ってのまでタダでやらせようとして、こっちが必死になってなんとか断っての繰り返し
そんな糞客の打ち合わせに昨年行ったとき、新しい人が増えていた。Aさんとする
なんだか中途採用で雇った人だそうで、昔はプログラマーをやっていたとやらで、終始こちらの側に立ってくれた
客のおっさんが「そんなん大して掛からないだろ」みたいに言っても「いや、経験上この仕様変更は思ったよりかかりますよ。お金払わないと」という感じで言ってくる。
菩薩かと思った。
それ以降、機能追加、仕様変更などの作業をお願いされるときも話が早い。
「この機能なら一ヶ月くらいかかりますよね、お金お支払いするんで見積もりください」といきなり言われる。
今までなら保守でやれとか言われていたのに。
完成前に突然の仕様変更が発生しても
「このタイミングで変更になってしまってすみません。とりあえず今回は運用で対応するので、又別途お願いします。追加料金払いますので。下手にXXの機能を公開したらあとの修正が大変だと思うので、とりあえずメニューから飛べないようにだけしておいてもらっていいですか?ここの機能は後日公開というふうにユーザーには連絡します」
もう神だよ。
救世主だよ。
みんなに嫌われていた客が、Aさんによって神に変わった。
前に、二人きりになった時に、ありがとうと気持ちを伝えたんだけど、その人は照れたように笑いながら、「いや、私もそちらの側だった人間ですから。今まで無茶ばっかり言って来たみたいで、ごめんなさい」
とか言ってくれた。
最近打ち合わせに行くときに毎回、Aさんに会える、と浮かれてる自分がいて、やばいかもとは思っていたが、先週の打ち合わせの時に、いつも結んでいた髪を下ろしていて、すごい綺麗に見えて、なんかこの気持ちはまずい、と嫌な予感がした。
飲みに誘いたいけど、でも、お客さんだし、優しくされてされて勘違いしてるだけかもしれないし、あの薬指に指輪がある日ついてたら、とっても落ち込むんだろう自分がわかる