日本自動車販売協会連合会(以下、自販連)は、月別・年別の新車販売台数を統計として発表しています。自販連は車種を項目としては販売台数は発表していないため、各ブランド車(トヨタのクラウンやカローラ、SUBARUのレガシィ等)をセダンとし、2015~2017年の販売台数を見てみました。トヨタのクラウンやカローラは販売台数が減少しており、プリウス等は2016年は上昇していますが、2017年は一転減少しています販売台数トップ50のブランド車しか見れないのですが、新聞の報道等を見ていても全体として減少している傾向にあるようです。
セダンは、今後の社会においても必要なのでしょうか。過去、セダン型の車が新車販売台数のランキングで席巻していた時代もあると思います。それはおそらく、自動車の用途が、家族の外出くらいにしか考えられておらず、家族の形態も核家族がほとんどだった時代でしょう。ただ現在は、サーフィンやゴルフ等のスポーツを楽しんだり、遠出せずに近場のスーパーに行くため等、人々の自動車の用途や家族の在り方が多様になったことで、セダン型の自動車がその目的に適わなくなってきたのでしょう。
最近では、都心に住む若い人は車自体に興味を持たなくなりました。都心に住まなくても交通網が発達しているし、シェアリングカーといったサービスも増えています。普通のサラリーマンであれば週末にしか乗る必要がないので、レンタカーを借りた方が、自動車重量税といった税金を払う必要がないので、昔からその方が合理的だったかもしれません。それでも昔の人が車を求めたのは、それが一種のステータスであったからですよね。ただ、今の若い人は車に対して社会的なステータスは感じていません。カーセンサーといった中古車取引サービスが成熟しており、車自体の値段も多様化しているので、車を持っているから「裕福だ」、「すごい」という発想には至らないですよね。
それでは、今後セダンはどのように生き延びていくべきでしょうか。私は、自動車メーカーはセダンを社会的ステータスを表すシンボルにブランディングすべきだと思っています。昔は、ポルシェやフェラーリといったメーカーの車を持っている事自体がステータスでした。ただ、今度は車型だけでその所有者のステータスを表すようにしていかないといけないと思います。スポーツカーのように走りが好きでもない、4人も車に乗せる必要がない、でもコンパクトカーは嫌だという層にアプローチしていく必要があるのではないでしょうか。そうする事で、セダンの寿命を延ばしてく事ができると思います。
多くの公用車は未だにセダンが用いられています。英国の王室などを見ていても、彼らが乗っている車はセダンです。セダンが、社会的に上位のステータスを表すシンボルとしての基礎は出来上がっているので、あとはどのように強化するかが大事になります。