2018-03-28

「恋」とは何か

わたし女性として生まれ女性として育って来た。

中学校高校制服女子のものを着た。

名前だって如何にも女の子らしいものだ(男性にもわたしと同じ名前の人はいるかも知れないが、何年もずっと人気な名前ランキングなるもの自分と同じ名前が入っているくらいだし、世間的にはこれは「女の子らしい」名前なのだと思う)。

女性として生きているからには、多くの人が男性に恋をするのだろう。

もちろん恋愛対象が同性であったり、異性も同性もどちらもであったりする人も少なくはないだろう。

そう長いものではないこの人生の中でも、わたしには男性恋人が居たことがある。

告白したり付き合ったりにはならないまでも、同級の男子に恐らく恋と思われる気持ちを抱いたこともある。

そして、ただとても仲が良い友達であるだけのはずの女の子彼氏が出来て、ひどくショックを受けたこともある。

おかしな話だ。

仲の良い友人に、彼氏が出来た。

それは、わたしにとってその彼氏が余程憎い人間であるだとか、彼女本人がそれを辛いことだと思っているのが見て取れるだとか、そういった特殊場合以外は、祝えて当然とも言える出来事なのではないだろうか。

「今まで通りには遊べなくなるかなぁ」と少し寂しく感じることはあっても、何故だか少しもめでたい事だと思えなくて涙が出そうになるなんてことがあるのだろうか。

わたしは友人の彼氏の事を憎いと感じたことは無かったし、彼氏が出来たんだ、とわたしに報告してくる彼女は本当に嬉しそうだったし、なんであんなにもショックを受けたのか、全く分からなかった。

わたしもしかして彼女に恋をしていたのだろうか。あの涙が出そうなくらいの大きなショックは、失恋だったのだろうか。

そもそも「恋」とはなんなのだろうか。

人に対してどんな想いを抱いたら、それを「恋」と呼べるのだろうか。

一緒に話していて楽しいな、と思った。

くじ引きで行われた席替えで隣の席になったことが、ひどく嬉しかった。

わたしがこれは「恋」なんだろうなと思ってきた気持ちはそんなものばかりだった。

手を繋ぎたいな、キスをしたいな、もっと触れていたいな。

「恋」には付き物であろうそういう気持ちは、一度も抱いたことがないことに気が付いた。

では、わたしが今まで「恋」だと思ってきた気持ちはなんだったのだろう。

友人に彼氏が出来た時に感じたあの絶望感は、なんだったのだろう。

わたしは今までの人生で、「恋」したことがないのではないか

そう思った瞬間、ひどく恐ろしく思った。

自分気持ちに答えが見つからない。

わたしがこれまで「恋」だと思ってきた気持ちが、本当に「恋」だったとしたら。

わたしはきっと恋愛対象が同性だけでも異性だけでもない、両性愛者、バイセクシュアルとされる存在なのだろう。

それならそれで、まあ、いい。

から理解は得難いかも知れないけれど。

わたしがこれまで「恋」だと思ってきた気持ちが、本当は「恋」ではなかったとしたら。

わたしは、なんなのだろうか。

こんな文章を長々と書くにあたって、何も調べなかったわけではない。

その中で、「無性愛者」なる記述を見つけた。

曰く、「恋愛感情を持たない」。

から恋愛感情ってなんなんだよ!

わたしにはわからない。

「恋」がわからないのが、まだ「恋」したことがないからなのか、そもそもわたし「恋」という感情が備わっていないからなのか、全然からない!

わたし人生は四半世紀にも満たない、ごく短いものだ。

その短い人生の中で、まだ「恋」出会っていないだけ?

そうだとしたら、わたしはいつになったら「恋」が出来るのだろう。

恋がしたいわけではないけど、この気持ちへの答えは欲しい。

わたしは一体なんなんだろう。

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